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2011 年度 実施状況報告書

胎児組織に着目した成人疾患発症の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591603
研究機関筑波大学

研究代表者

RAKWAL RANDEEP  筑波大学, 生命環境系, 教授 (70590850)

研究分担者 小川 哲郎  昭和大学, 医学部, 准教授 (60384210)
塩田 清二  昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード国際情報交流 フランス
研究概要

低栄養曝露胎児脳の採取:C57BL/6J 妊娠マウスに自由摂取群の摂取量に対し50%の給餌制限を妊娠10 日より18 日の解剖日まで行い、対照群は自由に餌を摂取させた。妊娠18 日の午前に帝王切開を行い胎児を取り出し、性別判定、胎児体重を測定した後すみやかに脳を摘出し、液体窒素にて凍結保存、粉砕処理し、遺伝子およびタンパク質解析に用いた。DNA マイクロアレイ解析:アジレント社のWhole Mouse Genome オリゴDNA マイクロアレイキット(G4122F)を用い低栄養暴露胎児脳および母体脳の遺伝子発現解析を行い、低栄養暴露により発現に変化を示した遺伝子候補群の絞込みを行った。さらにそれら遺伝子のRT-PCR解析を進め、候補遺伝子の同定を行った。プロテオーム解析:低栄養暴露胎児脳の2次元電気泳動法によりタンパク質発現解析を行ったが、2次元電気泳動では大きな変化を示すタンパク質が検出できなかった。よってより検出感度の高いショットガンLC-MS解析を試みるために、タンパク質抽出および精製方法を検討した。免疫沈降法を用い、解析の妨げになるアクチンをできるだけ除く方法を検討し、その結果をウェスタン解析により確認したところ、アクチンがほぼ除かれているサンプルを調整できることが確認できた。今後このサンプルを使用しショットガンLC-MS解析を行うことで変化を示すタンパク質が同定できる可能性が高くなると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低栄養曝露胎児および母体の脳に関しては、RNA抽出およびマイクロアレイ解析による遺伝子発現を網羅的に調査および選択してきた遺伝子のRT-PCR解析が終了している。 プロテオーム解析では二次元電気泳動による解析を行ったが、胎児脳で大きな差が見られるタンパク質のスポットが確認できなかった。そのため、より検出感度が良いショットガンLC-MS解析のために再度タンパク質抽出および精製方法を検討し、解析の妨げになるアクチンをできるだけ取り除く精製方法を検討した。ウェスタン解析によりアクチンがほぼ取り除かれている状態が確認できたことからショットガンLC-MS解析用のサンプル調整方法が確立でき、直ちにショットガンLC-MSによるプロテオーム解析を進められることが可能となった。これらのことから研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後の予定としてまず抗うつ薬投与成熟脳の解析があるが、昭和大学での動物実験室の利用状況が混雑していること、さらにプロテオーム解析に予算を多く使用する必要性がありその関係で抗うつ薬やマイクロアレイチップの購入が厳しくなることが予想されるため、抗うつ薬投与成熟脳の遺伝子発現に関しては、GEOデータベースから抗うつ薬投与成熟脳の解析データを検索してそのデータを利用して、23年度の低栄養曝露胎児および母体の解析結果と比較検討していきたいと考えている。その後ターゲットとなる遺伝子やタンパク質をIPA解析ソフト等を利用して絞り込んだらRT-PCRによる発現解析や関連タンパク質のリン酸化解析も含めたプロテオーム解析(2次元電気泳動、免疫沈降、ウェスタンブロットなど)を進めていく。 さらに胎児脳の網羅的プロテオーム解析については、ショットガンLC-MS用のサンプル調整方法が確立できていることから、その方法に従って、ショットガンLC-MSによるプロテオーム解析を進めたいと思っている。

次年度の研究費の使用計画

次年度は動物実験で10万円、マイクロアレイ解析およびRT-PCR解析で50万円、プロテオーム解析(ショットガンLC-MS、2次元電気泳動)ではリン酸化タンパク質解析も行いたいと考えていることから、昨年度の繰越金31万円を足した110万円、ウェスタンブロットや免疫沈降法に利用する抗体やキットに40万円の研究費使用を計画している。さらに論文投稿費15万円、学会発表旅費に20万円を予定している。

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公開日: 2013-07-10  

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