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2012 年度 実施状況報告書

胎児組織に着目した成人疾患発症の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591603
研究機関筑波大学

研究代表者

RAKWAL RANDEEP  筑波大学, 生命環境系, 教授 (70590850)

研究分担者 小川 哲郎  昭和大学, 医学部, 講師 (60384210)
塩田 清二  昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
キーワード国際情報交換 アメリカ
研究概要

遺伝子解析:昨年度行った低栄養暴露胎児脳のDNA マイクロアレイ解析による遺伝子発現データをIPAソフトウェアを使用し、遺伝子ネットワーク/パスウエイ解析を行った。その結果、低栄養暴露胎児脳では大きく分類すると次の4つのパスウェイに関与する遺伝子に変化が見られた。それぞれ①遺伝病、代謝病、腎臓部・泌尿器科学疾病、②行動、炭水化物代謝、低分子生化学反応、③発達障害、神経疾病、精神障害、④DNA複製、組換えおよび修復、遺伝子発現、RNA転写後修飾に関わるパスウェイになっていた。その中でも特にGABA受容体遺伝子(GABARa、Gabra1、Gabra2、Gabrb1、Gabrr2、Gabrg3)、オートファジー関連遺伝子、DNA修復・複製関連遺伝子、サーカディアンリズム関連遺伝子(Per2、Cry1、Clock、Lep、Lepr)の発現変化による自閉症などの精神疾患、糖尿病や肥満症発症の可能性が興味深く、今後はこれらのパスウェイ解析をさらに進め、精神疾患や成人病に関与する因子(ホルモンなど)を選択し、その因子が実際に低栄養暴露による影響で胎児脳に増加あるいは低下しているかを確認したいと思っている。
プロテオーム解析:低栄養暴露胎児脳のしショットガンLC-MS解析を行う予定であったが、サンプル量や定量性などを考慮し、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析法(2D-DIGE)で解析することにした。その結果、低減した27スポットと増加した9スポットの合計36スポットのタンパク質に変化が見られた。そのうち同定できる量が得られた14スポットを現在LC-MS解析による同定作業を進めている。
低栄養曝露胎児脳の採取:次年度のための低栄養暴露胎児脳サンプル採取を前回と同様に行った。遺伝子発現およびタンパク質解析さらにIPA解析から予想される代謝産物の測定に用いる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低栄養曝露胎児脳にのマイクロアレイ解析の結果から精神疾患や成人病に関与すると思われる幾つかの遺伝子および重要なパスウェイが判明し、それらの解析結果から疾患の原因究明のための新しいターゲット因子の測定や次のステップ(遺伝子メチル化解析等を考えている)に進む準備ができている。
プロテオーム解析では解析方法の選択で少し時間がかかったが、2D-DIGEの結果から幾つかの変化が見られたタンパク質が検出でき、同定作業まで進めることができている。
これらのことから研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

遺伝子解析:IPA解析結果の調査を進め、特に精神疾患や肥満症のパスウェイに関わる重要な遺伝子を選択し、それらの遺伝子の相互関係を明確にできるように整理したい。そして、それらのパスウェイから予測される因子(ホルモンなど)が実際に胎児脳で変化しているかを測定したいと考えている。
タンパク質解析:同定作業を進め、同定されたタンパク質に関しては実際に胎児脳で変化がみられるかどうかをウェスタン解析で確認していく。
以上の解析を進め、論文投稿を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度はプロテオーム解析(2D-DIGE)で50万円、ウェスタンブロット利用する抗体やキットに15万円の研究費使用を計画している。さらに論文投稿費15万円を予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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