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2012 年度 実施状況報告書

Na/Ca交換輸送が胎児・新生児の動脈管と末梢肺動脈の血管緊張度にはたす役割

研究課題

研究課題/領域番号 23591605
研究機関日本医科大学

研究代表者

勝部 康弘  日本医科大学, 医学部, 准教授 (20246523)

研究分担者 小川 俊一  日本医科大学, 医学部, 教授 (50194436)
深澤 隆治  日本医科大学, 医学部, 准教授 (80277566)
キーワードNa/Ca交換輸送 / 血管平滑筋 / 動脈管 / 胎児 / 収縮
研究概要

平成24年度ではクローニングしたNa+/Ca2+交換輸送体(Slc8A1)をHEK293細胞の発現させ電気生理学手法への応用を試みた。以下概略を示す.
【背景】Ca2+電流ならびに筋小胞体の役割は成獣に比較して未熟心筋では小さい.一方,Na+/Ca2+交換輸送電流は成獣と比較すると大きく,Ca2+電流・筋小胞体の役割を補っている.言い換えればNa+/Ca2+交換体は未熟心筋における心機能維持のため重要な役割を演じていると考えられている.その後未成熟な動物から新鮮な細胞を分離することの困難さも加わり,胎仔・新生仔など未成熟な動物の細胞を用いてのNa+/Ca2+交換輸送体に関する研究は十分にはなされていない.そこで今回分子生物学的手法と電気生理学的手法を用いて未熟細胞のNa+/Ca2+交換輸送体に関する研究を立てた.【目的】胎仔・新生仔の細胞からクローニングしたNa+/Ca2+交換輸送体(Slc8A1)から電流を測定する手法を確立すること.【方法】家兎胎仔の心臓からクローニングしたSlc8A1をpB1-CMV2ベクターに挿入しHEK293細胞に導入させ,GFPと共発現させた.GFPを目標にパッチクランプ法を用いNa+/Ca2+交換輸送電流を測定した.電流測定上の諸条件(液の組成,パルス条件など)は従来から報告されている方法に従って行った.【結果】Slc8A1とGFPを供発現させたHEK293細胞からNa+/Ca2+交換輸送電流を測定することができた.【考察】培養細胞を用いてNa+/Ca2+交換輸送電流が測定できることが確認された意義は大きい.今後酸素濃度の違いによる変化,各種薬剤存在下での変化など実験条件を変え検討していく.さらに動脈管・末梢肺動脈などの血管平滑筋からクローニングしたNa+/Ca2+交換輸送体についても検討を加えていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では,平成23年度の研究は主として分子生物学的研究を中心に平成24年度では電気生理学的研究を研究の中心におき研究計画を立てている.平成24年度の研究では達成できなかった項目もあるが概ね順調に運んでいると考えている.
<理由>
1.Na+/Ca2+交換輸送体(Slc8A)memberのうちSlc8A1とSlc8A2をGFPとHEK293細胞に共発現させることができた.しかしながら,Slc8A2はHEK293細胞に共発現させることができなかった.
2.Slc8A1を発現させたHEK293細胞を用いて,Na+/Ca2+交換輸送電流を測定することができた.
3.研究成果を第48回日本小児循環器学会(平成24年7月:京都),第116回日本小児科学会(平成25年4月:広島)で報告することができた.

今後の研究の推進方策

平成25年は研究課題の最終年度にあたる.研究計画ではパッチクランプ法による電気生理学的研究が中心となる.Na+/Ca2+交換輸送体(Slc8A)における酸素における電流の変化,一般新生児医療で用いられている薬剤の影響などに検討を加え,動脈管Na+/Ca2+交換輸送体の血管緊張度に果たす役割を総括する.

次年度の研究費の使用計画

研究費の多くは作成したクローン細胞の管理ならびにパッチクランプ法の研究,主として消耗品費に充てられる.パッチクランプ法の実験の際ノイズ(交流)が大きくなってきており,研究費の一部をノイズ軽減用の備品購入に充てることも考えている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 動脈管・肺動脈の発達に伴うNa+/Ca2+交換輸送体mRNAの発現変動2012

    • 著者名/発表者名
      羽山恵美子,勝部康弘,中西敏雄,小川俊一
    • 学会等名
      第48回日本小児循環器学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20120705-20120707
  • [学会発表] HEK293細胞に発現させたNa-Ca交換輸送体電流測定法の確立2012

    • 著者名/発表者名
      勝部康弘、羽山恵美子、中西敏雄、小川俊一
    • 学会等名
      第48回日本小児循環器学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20120705-07

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公開日: 2014-07-24  

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