研究課題/領域番号 |
23591607
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小竹 武 近畿大学, 薬学部, 教授 (40450887)
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キーワード | 胎児不整脈 / 抗不整脈薬 / 薬物血中濃度 / 経胎盤的胎児治療 |
研究概要 |
初年度の研究統括者の所属変更や事務局担当者変更などとともに、平成24年6月に胎児頻脈性不整脈に対する経胎盤的胎児治療の臨床試験において有害事象の発生を受けて、倫理委員会にて研究計画の変更によって研究継続が平成24年8月に承認された。倫理委員会に諮る事案の発生を受けて、経胎盤的抗不整脈薬投与の薬物血中濃度評価対象者のエントリーが遅延し、当初の研究計画どおりの研究対象者の登録数を満たすことは出来ていないが、2年目において8例の登録が完了している。現在のところ、ジゴキシン投与により、ジゴキシン血中薬物濃度は最小血中濃度0.6ng/mL~最大血中濃度2.7ng/mLの範囲でモニタリングされ、倫理委員会へ報告された1例を除き、ジゴキシン濃度の2ng/mLを超える症例においても胎児頻脈性不整脈に対する経胎盤的胎児治療の有用性が示されていると考えられる。ソタロール投与症例においては、投与範囲が大きく、20mg~160mg/日で投与されており、投与量決定因子となる血中濃度との関連性が現在のところ明確でないため、さらに精査する必要がある。 患者間でジゴキシン血中濃度の範囲は広く、症例集積とともに投与量決定に影響する変動要因を精査することが、非常に重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1例の安全性評価による倫理委員会の手続きの遅延と研究対象者が8例であり当初の予定より少ない。
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今後の研究の推進方策 |
安全性評価による倫理委員会の手続きは完了しており、研究医療施設への周知による研究対象者のデータ収集が実施可能となる。8例の登録データを詳細に整理するとともに、平成25年4月より該当する研究対象者のエントリーが実施されるように各研究医療施設へのさらなる周知によって、薬物血中濃度測定から薬物血中濃度の指標から薬力学的、薬物動態学的評価分析を実施するためのデータ収集が可能である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究対象者の登録状況にもよるが、今後の薬物血中濃度測定、データ収集によって平成24年度研究費は平成25年度10月までに執行する予定である。
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