研究課題/領域番号 |
23591607
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小竹 武 近畿大学, 薬学部, 教授 (40450887)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 胎児不整脈 / 抗不整脈薬 / 薬物血中濃度 / 経胎盤的胎児治療 |
研究実績の概要 |
平成26年度までで症例収集は32例となった。ジゴキシン単独で効果が認められた症例は15例であり、14例がソタロールとジゴキシンが併用投与されており、その中で1例がフレカイニドとジゴキシンの併用投与へ移行した。ソタロール単独投与患者は3例であったが、その中で1例がフレカイニドへ変更投与となった。昨年度から症例集積は順調であるが、平成27年度で最終目標である50症例の収集のために、対象患者のエントリー漏れのないように留意が必要である。ジゴキシン血中濃度は1ng/mL以上およびソタロール血中濃度は100~1000ng/mLで概ね推移していた。臍帯血への移行率もバラつきが有り、胎児移行性の個体間変動と有効性との関連および安全性についても検討が必要である。フレカイニドの投与症例は有効性が認められているが、症例数がまだ、2例と少ないことから、有効薬物血中濃度を母集団として解析することは現段階では難しいため、該当症例が集積されることを期待する。 ジゴキシン単独およびソタロールの併用およびフレカイニドの投与を必要とするさまざまな事例が混在することから、投与薬剤の種別のみならず、薬物血中濃度、母体、胎児の状態との相関関係に現在、著明な関連性は認められていないが、投与経過日数とともに胎児頻拍数の減少が認められていることから、ある一定の薬物血中濃度を維持することによって有効性が高まる可能性が示唆される。胎児頻脈性不整脈をジゴキシンの追加適応症として検討する予定があるが、詳細な症例の比較検討が重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標に届かない可能性もあるが、倫理委員会へ諮る必要のある有害事象等の発生があったことを考慮して、平成26年度までで32症例が集積されたことは順調に進展している思われる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度を迎え、症例収集はもちろんのこと、研究によって得られた成果を医療系学会で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は順調に研究進展したが、目標症例数に達しておらず、前年度の繰越が多かったこともあり、使用額が予定を下回った。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は最終年度であり、成果発表も含め、10月までに執行する予定である。
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