胎児頻脈性不整脈の治療によるDXおよびSTの経胎盤的投与を導入された入院対象患者32例を解析した。臍帯血/母体血の平均薬剤移行率はDX(16例)67.6%、ST(7例)73.9%であった。DX濃度(26例)は推定クレアチニンクリアランス(Ccr)と相関を示さず(P=0.18)、血清クレアチニン(Scr)とは相関傾向(P=0.06)、投与量と相関を示した(P<0.001)。ST濃度(12例)はCcr、Scrと相関を示さず、投与量と相関を示した(P=0.04)。胎児心拍数は薬物療法導入から対数近似的に速やかに低下した。対象症例をさらに集積し、胎児頻脈性不整脈治療の保険診療の承認申請を予定している。
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