研究課題/領域番号 |
23591611
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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研究分担者 |
澤村 大輔 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196334)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | RIG-I |
研究概要 |
本研究は、RIG-I・STING誘導性免疫賦活効果とそれに伴うメラノーマ細胞の増殖抑制作用、NK細胞の活性化を以下の実験でその詳細なメカニズムを解明する目的で行われる。1)合成RNA、DNAによるRIG-I、STING発現の確認、2)培養メラノーマ細胞の増殖能への影響の評価、3)NK細胞の受容体NKG2Dに対するリガンド発現の確認、4)in vivoにおける自然免疫賦活効果の確立と腫瘍抑制機序の解明。現時点での研究成果は下記の通りである。1.合成核酸による培養細胞のRIG-I、STING、IFN-βの発現誘導(1) 正常ヒト表皮細胞、正常ヒト線維芽細胞、ヒトメラノーマ細胞、ヒト慢性骨髄性白血病細胞株K562細胞をそれぞれ最適な培地を用い培養し、合成核酸であるpoly-(I:C)、5'-リン酸RNA、DNAを添加しRIG-IおよびSTING発現の経時性および濃度依存性をRT-PCR、Western blot法により確認したところ、ヒトメラノーマ細胞以外ではRIG-I、STINGの発現がみられた。(2) RIG-I、STING発現がみられた培養細胞では、IFN-β発現誘導をRT-PCR、ELISAにて確認した。2.合成核酸による培養メラノーマ細胞の増殖に与える影響(1) 培養ヒトメラノーマ細胞に合成核酸を添加、増殖能への影響を、細胞増殖測定キット(MTSキット, Promega)を用い測定したところ、今のところ明らかな増殖抑制効果は認めない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.合成核酸であるpoly-(I:C)、5'-リン酸RNA、DNAによる培養細胞のRIG-I、STINGの発現誘導を、ヒトメラノーマ細胞以外で確認できた。2.RIG-I、STING発現がみられた培養細胞では、IFN-β発現誘導をRT-PCR、ELISAにて確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.RIG-I、STING強制発現が培養メラノーマ細胞に与える影響 (1) 培養ヒトメラノーマ細胞のmRNAより、RT-PCRにて完全長RIG-I およびSTINGのcDNAを増幅、回収。(2) 発現ベクターに挿入後、培養ヒトメラノーマ細胞に形質導入しWestern blot法、ELISAにてRIG-I、IFN-β発現を確認。2.培養ヒトメラノーマ細胞におけるNK細胞受容体NKG2Dに対応するリガンドの発現およびI型IFNによるその発現増強促進効果
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子工学用酵素類・キット,ガラス・プラスチック器具,細胞培養用試薬,一般試薬などの消耗品や情報収集のための学会参加旅費、実験補助の技術員への謝金にあてる。
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