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2013 年度 実績報告書

メラノサイト幹細胞の未分化性維持機構とその破綻による腫瘍発生の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 23591612
研究機関秋田大学

研究代表者

真鍋 求  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30138309)

研究分担者 河村 七美  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70323152)
キーワードメラノーマ / スフェロイド / 幹細胞 / サリノマイシン / 三酸化ヒ素
研究概要

遺伝子改変マウスを用いた研究戦略が予定より遅れていたため、培養メラノーマ細胞を用いて、3次元構造を持つ球体状のメラノーマ細胞群(メラノーマ・スフェロイド)の特性評価を行い、スローサイクリング細胞を含む細胞集団を標的とした新たな化学療法の選択肢を検討した。
その結果、以下の所見が得られた。(1)3次元培養法によりメラノーマ細胞株を6日間培養したところ、球体状の構造を持つ細胞集団が形成された。同じ培養条件でさらに3日間培養することにより、より密な構造を持つ細胞集団が得られた。(2)自己複製能アッセイにより自己再生能力を評価したところ、単層培養細胞と比較して、スフェロイド中にクローン原性の性質を持つ細胞が多く存在していた。(3)BrdU保持能より細胞周期の遅い細胞を同定したところ、単層培養細胞と比較して、スフェロイド中にBrdUを保持したスローサイクリング細胞が多く含まれていた。(4)各濃度のドキソルビシンを添加した細胞の生存率を比較したところ、単層培養細胞と比較して、スフェロイド中にドキソルビシンに対し抵抗性を有する細胞が多く含まれていた。この結果を反映して、単層培養細胞と比較して、スフェロイド中にはドキソルビシンによるアポトーシス誘導に抵抗性を有する細胞が多く含まれていた。(5)サリノマイシンあるいは三酸化ヒ素を単剤で投与した場合と比較して、併用して投与した方が、スフェロイド細胞の生存率が顕著に減少した。
以上の所見より、メラノーマ・スフェロイドは、単層培養細胞と比較して、生体のメラノーマ腫瘍塊に類似した性質を有していることが実証された。この結果は、メラノーマに対する新規治療法を開発する際に、単層培養細胞と比較して、メラノーマ・スフェロイドがより有益な情報をもたらす可能性を示唆するものである。特に、サリノマイシンと三酸化ヒ素の併用により、高い抗腫瘍効果が得られたことは注目に値する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Salinomycin sensitizes melanoma spheroids containing slow-cycling cells to the effects of arsenic trioxide.2013

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa N,Takahashi M,Noguchi N,Manabe M.
    • 雑誌名

      Akita J Med

      巻: 40 ページ: 143-150

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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