研究課題/領域番号 |
23591618
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
室 慶直 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80270990)
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研究分担者 |
杉浦 一充 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335032)
小川 靖 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10567754)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 皮膚筋炎 / 悪性腫瘍 / TIF1-α / TIF1-γ |
研究実績の概要 |
悪性腫瘍合併の皮膚筋炎(DM)患者における腫瘍組織において、抗TIF1-γ/-α抗体の共存する症例の発癌機序として、次のステップを想定した。①腫瘍臓器において、TIF1-αの発現低下がTIF1-γの発現低下をもたらし、②TIF1-γのSmad4に対するユビキチンリガーゼ機能低下によりSmad4が増加、③核内でのSmad4/p-Smad2/p-Smad3三量体が増加し、上皮間葉細胞転換が進み、抗TIF1-γ/-α抗体陽性皮膚筋炎患者において腫瘍進展が生じるという病態仮説を立てた。 抗TIF1-γ抗体および抗TIF1-α抗体陽性腫瘍合併DM患者における、TIF1-γ/-αの発現異常の検討について、培養細胞を用いてTIF1-αの発現量を調節してみたところ、(i)HepG2細胞にTIF1-α遺伝子をトランスフェクションした細胞にて、TIF1-γの発現の変化を検討、ウェスタンブロットにおいてTIF1-γの発現量が低下した。次に(ii) RNA干渉によりHaCaT細胞のTIF1-α発現量を低下させた細胞を樹立し、TIF1-γの発現の変化を検討、TIF1-γの発現に変化は見られなかった。 次に、悪性腫瘍合併皮膚筋炎患者における腫瘍組織におけるTIF1-α、TIF1-γの免疫染色を再施行した。先行研究において、悪性腫瘍合併DM患者における腫瘍組織では両者とも免疫染色で染色されなかったが、仮説が立証できなかったため免疫染色を再施行した。一次抗体の変更、抗原賦活法の変更などにより、腫瘍組織中のTIF1-γは高発現していた。 次に、悪性腫瘍合併DM患者の腫瘍組織中の、STAT3、p-STAT3の発現量を免疫組織染色にて検討した。患者の胃癌組織では正常胃組織と比較して、STAT3、p-STAT3の発現に差は見られなかった。乳癌組織では、正常乳腺組織と比較して、p-STAT3の発現が増加していた。
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