研究課題/領域番号 |
23591625
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鶴田 大輔 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90382043)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 類天疱瘡 |
研究概要 |
本年度、green fluorescent protein (GFP)-BP180ベクターを作製し得た。具体的には、新生児ケラチノサイト(NHEK)からRNAを抽出後、逆転写しcDNAを抽出。PCRによりBP180 cDNAを抽出。NT-GFP Fusion TOPO;TA Expression kitを用いてGFP-BP180を作製した。BP180のC末端にGFPを発現できるベクターを作製し得た。N末端側のベクターは作成し得なかった。BP-IgGの調整は、類天疱瘡と診断された患者の中で、BP230に対する抗体がELISA法で陰性であった血清を0.45 m Millex filterで濾過後、Protein G affinity chromatographyで抽出、透析後bufferをPBSで置換し、Amicon Ultraで濃縮した。 これらを用いた実験結果を示す。GFP-BP180ベクターを804GとNHEK細胞に遺伝子導入し、BP-IgG非存在下でのGFP-BP180の細胞内動態を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。定常状態ではGFP-BP180は基底面にそって一様にCat-Paw patternで分布した。BP-IgGをGFP-BP180発現させた細胞に投与した場合にはX-Y およびZ sectionでみるとBP180は当初、基底面にCat-Pawパターンで分布していたが、BP-IgGを投与30分でBP180が細胞質内にinternalizeする所見が得られた。その後90分、120分、360分と時間が経つに連れ、BP180の発現は減弱した。この際基底面でのBP180の発現も同様に経時的に減弱した。これらの結果からは、BP-IgG/BP180結合によりBP180がおそらくendocytosis機構により内包化されることを示すと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書における研究計画通りに進展している。計画通りにいかなかったことはただ一点である。GFP発現BP180ベクターのうちBP180N末端でのGFP発現ベクターのみ作成し得ていない。しかしながら、これは必須ではなく、C末端での発現ベクターのみでその後の研究には支障がないと思われるからである。平成24年度もこのペースで進めることができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はBP-IgG結合に伴うalpha6beta4インテグリン、フォーカルコンタクト接着分子の動的分布変化の解析を行う予定である。この実験のためにはYFP-beta4インテグリンベクターとYFP-アクチニンベクターが必要である。これらはすでに報告済みであり、最近念の為にこれらのベクターのシークエンスを確認したところ全く問題がなかった。このため、平成23年度でのlive cell imagingの実績を踏まえて同じ細胞にこれらのベクターを発現させることは容易であると考えられ、予定通り研究は遂行されると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度、この平成23年度での結果を踏まえて第75回米国研究皮膚科学会にて発表する予定である。この渡航費が約30万円必要である。また、引き続き、live cell imaging遂行のために、共同研究先である久留米大学への出張旅費が必要となる。その他、この実験と関与した論文作成費、特に英文校正費が必要となろう。また、研究消耗品費がひきつづき必要となると考えられる。
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