研究概要 |
臨床診断、および病理組織診断において悪性黒色腫と鑑別が困難である皮膚腫瘍(Spitz母斑、異型母斑、悪性黒色腫の表皮内癌)について、我々が悪性黒色腫のDNAメチル化解析において同定したZygote Aresst 1(ZAR1)遺伝子(J Dermatol Sci 59:98-106,2010)のメチル化解析を試みた。日本大学医学部付属板橋病院皮膚科を受診した患者の中で、病理組織学的に悪性黒色腫と鑑別が困難であったSpitz母斑5例、異型母斑(dysplastic nevus)5例、および悪性黒色腫の表皮内癌(melanoma in situ)4例の患者検体を採取した。患者検体は全例病変部が小さいため、レーザーマイクロダイセクションにより腫瘍の切り出しを行った。しかし、DNAを採取するのが困難であり、また、DNAを少量得られた場合は、その後にマスアレイを使用し、定量的にメチル化解析を試みたが、結果を得ることができなかった。また、RNAを採取し、リアルタイムRT-PCRを用いてZAR1遺伝子の発現解析を行う予定であったが、DNAと同様、RNAの採取が困難であり、解析を行うことができなかった。
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