研究課題/領域番号 |
23591639
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
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研究分担者 |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
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キーワード | 水疱性類天疱瘡 / BP180 / TypeXVIIコラーゲン / ISAAC法 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
本研究は水疱性類天疱瘡(BP)患者リンパ球からImmunospot array assay on a chip (ISAAC)法によりモノクローナル抗体を単離し、BPの病態形成に強く関与するエピトープの同定、さらにそれを基に鋭敏に病勢を反映する検査法の構築や抗イデオタイプ抗体を用いた新しい抗体治療の開発を目的とする。まず、複数のBP患者から得た血清を用いて、BP180NC16a蛋白質やBP180NC16a領域を分割した、各種ペプチドを抗原としたELISA法を行い、各患者がBP180NC16a領域のどの部位に対する抗体を有しているか確認した。その結果、いずれの患者も異なるエピトープを認識する複数の抗体を有しており、またその抗体のプロファイルは患者ごとに異なっていた。次にBP患者の末梢血より末梢血単核球(PBMCs)を採取し、1症例ずつISAAC法を順次施行し抗原特異的抗体を産生しているリンパ球を同定した。それらの細胞を個々に回収し、それぞれの細胞から抗体可変部cDNAを増幅させ、抗体重鎖(H鎖)や軽鎖(L鎖)の定常部領域を含有する発現ベクターを構築した。このコンストラクトをHEK293T細胞に導入しモノクローナル抗体を獲得した。現在1つのモノクローナル抗体が得られており、現在も更なる抗体の獲得を試みている。得られたモノクローナル抗体は認識するエピトープを同定するためBP180NC16a領域の各種ペプチドを用いてELISA法を施行した。その結果、抗体は542-566アミノ酸と反応した。これはこのPBMCsの提供患者の血清が最も強く反応したペプチドと一致していた。現在このモノクローナル抗体が水疱形成に寄与しているか検証している。さらに今後BP180NC16a領域の異なる部位を認識する抗体が得られた後、病態形成における機能の差異について比較検討を行う予定である。
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