研究課題
(目的)抗AIDS治療薬として開発されたCCR5阻害薬;Maravirocを性行為前に内服することによってHIV感染を予防できるか、すなわちMaravirocが内服マイクロビサイドとして応用可能であるかを検討する。(方法) Maraviroc(300 mg x 2/day)を1日、3日、あるいは14日間内服した健常ボランティア(各2~4名)から表皮、血液、精液を採取し(最終内服2時間後)、MVC濃度を測定した。また、Maraviroc内服前あるいは内服後に健常ボランティアから表皮を採取し、この表皮シートにHIV(HIVBaL; R5 HIV)を曝露し、ランゲルハンス細胞のHIV感染率をフローサイトメトリーにて定量した。(結果と考察)すべてのボランティアにおいて、Maraviroc内服前における表皮内LCのHIV感染が種々の程度で認められた(0.67-3.11%)。しかし、Maravirocを3日間あるいは14日間内服したボランティアではいずれにおいても、表皮内LCのHIV感染率は0.00%と完全に抑制された(% inhibition: 100%)。これらの研究結果から、Maravirocを3日以上内服したヒト皮膚内in situ LCはHIV感染に対して非常に強い抵抗性を持つことが明らかとなった。異性間性行為HIV 感染におけるウイルスの皮膚・粘膜を介した生体内侵入にはLCへの感染が必須であることから、これらの結果はMVC内服によって性行為HIV 感染を予防できる可能性、すなわちMVCの内服マイクロビサイドとしての有用性を示唆している。
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J Invest Dermatol
巻: 134 ページ: 1158-1161
10.1038/jid.2013.467
巻: 133 ページ: 2803-2805
10.1038/jid.2013.215
http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/dermatol/index.html