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2012 年度 実施状況報告書

円形脱毛症に対するケモカイン、ケモカイン受容体阻害を介する新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23591642
研究機関浜松医科大学

研究代表者

伊藤 泰介  浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90293638)

キーワード円形脱毛症 / 細胞走化性 / 抗ヒスタミン薬
研究概要

円形脱毛症に対するケモカイン、ケモカイン受容体阻害を介する新規治療戦略について検討してきた。
まず円形脱毛症患者の末梢血リンパ球において、Th1、Tc1細胞がTh1ケモカインであるCXCL10に対して強い走化性を示すことを証明した。それは、まず、CXCL10の受容体であるCXCR3発現が円形脱毛症患者の末梢血リンパ球では健常者よりもより強く発現していること、リアルタイムに走化性が観察されるEZ-Taxiscanという機器を用いた結果、よりはやくCXCL10に向かって走化性を示すことを示し、J Dermatol Sciに報告した。その上で、まずは日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインにも推奨されている抗ヒスタミン薬におけるオロパタジン塩酸塩が走化性を阻害するかを確認したところ、CXCR3発現の抑制、走化性の抑制、カルシウム濃度の抑制。アクチン重合の抑制効果があることが示され、抗ヒスタミン薬が円形脱毛症患者のTh1、Tc1細胞の走化活動性を抑制することを証明し、J Dermatol Sciに報告した。今後、さらに他の阻害効果をもつ抗体などを検討して行きたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでにこれらの検討結果は2つの医学雑誌に投稿し、いずれもアクセプトされている。

今後の研究の推進方策

今後は、CXCR3陽性細胞のうちわけをさらに検討したい。つまりCXCR3陽性細胞の中で、Th1、Tc1、抑制性T細胞(Treg)と分け、とくにCXCR3陽性抑制性T細胞にたいする効果、またはこの分画の円形脱毛症での働きなどについて検討して行きたい。
また米国の大学においてすでにCXCR3抗体を樹立しているようであり、円形脱毛症に対する効果を診ている。
こことの共同研究についても検討して行きたい。

次年度の研究費の使用計画

CXCR3陽性抑制性T細胞の検討。
EZ-Taxiscanにおけるメインテナンス経費、抗体作成などを検討したい。
とくにC3H/HeJマウスをつかったリンパ球の走化性検討とともに抗体を使用した走化性抑制効果についても検討していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] CXCL10 produced from hair follicles induces Th1 and Tc1 cell infiltration in the acute phase of alopecia areata followed by sustained Tc1 accumulation in the chronic phase.2013

    • 著者名/発表者名
      Ito T, Hashizume H, Shimauchi T, Funakoshi A, Ito N, Fukamizu H, Takigawa M, Tokura Y.
    • 雑誌名

      Journal of Dermatological Science

      巻: 69 ページ: 140-147

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antihistaminic drug olopatadine downmodulates T cell chemotaxis toward CXCL10 by reducing CXCR3 expression, F-actin polymerization and calcium influx in patients with alopecia areata2013

    • 著者名/発表者名
      Ito T, Fujiyama T, Hashizume H, Tokura Y
    • 雑誌名

      Journal of Dermatological Science

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alopecia areata triggered or exacerbated by swine flu virus infection2012

    • 著者名/発表者名
      Ito T, Tokura Y
    • 雑誌名

      Journal of Dermatology

      巻: 39 ページ: 863-864

    • DOI

      10.1111

    • 査読あり
  • [学会発表] CXCL10 produced from hair follicles induces Th1 and Tc1 cell infiltration in the acute phase of alopecia areata followed by sustained Tc1 accumulation in the chronic phase.2012

    • 著者名/発表者名
      Ito T
    • 学会等名
      European Society for Dermatological Science
    • 発表場所
      イタリア、ベネチア
    • 年月日
      20120919-20120922
  • [学会発表] CXCL10 produced from hair follicles induces Th1 and Tc1 cell infiltration in the acute phase of alopecia areata followed by sustained Tc1 accumulation in the chronic phase

    • 著者名/発表者名
      Ito T
    • 学会等名
      The 37th Annual Meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
    • 発表場所
      沖縄

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公開日: 2014-07-24  

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