研究課題
細胞膜情報変換酵素ホスホリパーゼ (PL) は大きくPLA、PLB、PLC、PLDの4種に分類される。PLCε(ε: イプシロン)はPLCに属する分子で、種々の刺激により活性化されて様々な細胞応答を引き起こす。PLCεを角化細胞特異的に強発現するトランスジェニックマウス(K5-PLCε-TGマウス)を作成し、同マウスの皮膚を臨床的および病理組織学的に解析した。臨床的にK5-PLCε-TGマウスは皮膚に多数の鱗屑を付着するが、野生型マウスでは皮膚のどの部位においても鱗屑はみられなかった。病理組織学的にK5-PLCε-TGマウス皮膚では表皮肥厚、表皮内好中球浸潤が起こっており、角化細胞ではSTAT3活性化が起こっていることが明らかとなった。以上の結果よりK5-PLCε-TGマウスは尋常性乾癬に類似した臨床的・組織学的変化を自然発症すると思われ、PLCεが乾癬発症に関与する可能性が考えられた。また、K5-PLCε-TGマウスの耳介に貫通創を作ったところ、野生型のマウスではこの創は半永久的に大きさが変わらず残るのに対し、K5-PLCε-TGマウスでは速やか(約2週間)に閉鎖することを見出し、K5-PLCε-TGマウスでは創傷治癒能が亢進していることが明らかとなった。K5-PLCε-TGマウス皮膚の紫外線Bに対する反応をみたところ、野生型マウス皮膚は紫外線Bを長期間照射するとびらんや潰瘍を生じるのに対し、K5-PLCε-TGマウス皮膚は紫外線Bの長期間照射を受けてもびらんや潰瘍を生じないことを見出した。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件)
Br. J. Dermatol.
巻: 170 ページ: 922-929
10.1111/bjd.12791.
Eur. J. Dermatol.
巻: 24 ページ: 112-113
10.1684/ejd.2013.2256.
巻: 24 ページ: 109-110
10.1684/ejd.2013.2229.
J. Cutan. Pathol.
巻: - ページ: -
Acta Derm. Venereol.
10.2340/00015555-1866
Int. J. Dermatol.
巻: 52 ページ: 1412-1414
10.1111/j.1365-4632.2011.05221.x.
巻: 93 ページ: 747-748
10.2340/00015555-1576.
巻: 23 ページ: 517-518
10.1684/ejd.2013.2063.
巻: 52 ページ: 893-895
10.1111/j.1365-4632.2011.05032.x.
巻: 23 ページ: 241-245
10.1654/ejd.2013.1958
Indian J. Dermatol.
巻: 58 ページ: 162
10.4103/0019-5154.108122.
J. Dermatol.
巻: 40 ページ: 220-222
10.1111/1346-8138.12048.
Dermatol. Online J.
巻: 19 ページ: 16