研究課題/領域番号 |
23591652
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小宮根 真弓 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00282632)
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キーワード | IL-33 / 表皮細胞 / 炎症性皮膚疾患 |
研究概要 |
培養細胞を用いた研究では、培養表皮細胞におけるIL-33産生メカニズムについての検討を行った。IL-33はIFNγ、IL-17によってそれぞれ産生が誘導された。TNFαは、IFNγとともに存在するとIL-33のプロセッシングを促進したが、IL-17とともに存在してもIL-33のプロセッシングには影響しなかった。IFNγによるIL-33誘導は、EGF受容体、ERK、p38、STAT1に依存的であった。IL-17によるIL-33誘導についても、EGF受容体、ERK、p38、STAT1が関与していた。IL-33の細胞外への分泌は確認できなかったが、免疫染色にて核への局在が明らかとなった。IFNγ、IL-17は乾癬において非常に重要な働きを持つサイトカインであり、今後TPAにてマウスに乾癬皮疹を誘導し、IL-33の関与を検討する予定である。現在、IL-33ノックアウトマウスの供与を受け、飼育中である。IFNγによる刺激についてはJournal of Investigative Dermatology 2012 132(11):2593-600に報告した。 また、表皮細胞が産生するIL-33にはいくつかのSplice variantが存在することを示し、いくつかの細胞腫によってその発現パターンが異なることをJournal of Investigative Dermatology 2012 132(11):2661-4に報告した。 現在、表皮細胞においてIL-33をノックダウンすることによって、細胞周期や分化に影響が出ることを見出し、検討を加えている。 また、マウスを用いて創傷治癒におけるIL-33の関与を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞を用いた実験は順調に進んでいるが、マウスを用いた実験では、IL-33ノックアウトマウスの繁殖が悪く、思うように進んでいない。また、ST2トランスジェニックマウスを用いた実験においては、データのばらつきが大きく、結果をまとめるのが難しい状況である。今後、手技を見直し工夫を加える予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、マウスでのin vivoの実験に力を注ぎたいと考えている。ST2LはIL-33の受容体であるが、可溶性の細胞外領域を過剰に発現するST2トランスジェニックマウスを用いて実験を行っている。IL-33ノックアウトマウスについてもすでに手に入れている。現在ST2トランスジェニックマウスを用いて接触過敏反応、創傷治癒の実験を行っているが、次年度はこれらの実験をIL-33ノックアウトマウスについても行いたいと考えている。さらに次年度は、TPAやイミキモドを用いた乾癬モデルを作成し、IL-33の役割について検討したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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