昨年度までに、表皮細胞におけるIL-33発現調節について、紫外線(UVB)がIL-33発現を誘導すること、IFNγがIL-33を誘導することを報告し、あわせてその誘導メカニズムについて検討した。本年度は、乾癬、アトピー性皮膚炎、扁平苔癬などの炎症性皮膚疾患におけるIL-33の発現を、患者皮膚組織を用いて確認した。乾癬の病態にはIL-17が深く関与しており、乾癬局面の表皮においてもIL-33が核内に発現していることから、IL-17によるIL-33の発現誘導について検討し報告した(Meephansan J et al. J Dermatol Sci. 2013 71(2):107-14)。IL-33の可溶型受容体であるsST2トランスジェニックマウスと野生型マウスをもちいて、接触過敏反応の差を検討しているが、データのばらつきが大きく、明らかな差をみとめていない。また創傷治癒におけるIL-33の役割を明らかにするため、sST2トランスジェニックマウス、IL-33ノックアウトマウス、野生型マウスでの創傷治癒過程の違いを検討中である。
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