研究課題/領域番号 |
23591658
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
川上 民裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20297659)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | メラノサイト / 尋常性白斑 / マウス神経冠細胞 / 遺伝性対側性色素異常症 / BMP / Ret / 遺伝性対側性色素異常症 / 血管炎 |
研究概要 |
マウス皮膚メラノサイトはマウス神経冠細胞(neural crest cells, NCC)より確立した未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若な発生段階といえるNCCmelb4M5細胞でNA interference (RNAi)法によりMitf-MのmRNAをノックダウンした行程にすすんでいる。しかし、ノックダウン率が充分に達成できていない。small interfering RNA (siRNA)導入試薬として、すでに検討したなかでより細胞毒性の弱い試薬を使用しているが、さらに検討が必要かもしれない。Mitf、BMP4のmRNAをReal-time RT-PCRを用い、測定していきたい。未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若なNCCmelb4M5細胞の、ELISA法やWestern blotting法を用いて、BMP4添加下でのSmad、Smadの活化型であるPhospho Smad、Mitf、Retの蛋白発現量を検討している。ELISA法では96穴プレートにて細胞を各条件で培養し、固定後、1次抗体として抗BMP4抗体を用いて、そしてIgG2次抗体を加えて、分光光度計にて測定している。NCC primary culture培養系では、MITFミュウタントマウスMitfmi-ewと正常マウスとの相違を観察している。また、抗BMP4、Noggin、Ret抗体を一次抗体としてその免疫組織化学染色を施行してその局在を明らかにし、メラノサイト分化との関連を調べる。特に、BMP4添加は、分化を促進する可能性を感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス皮膚メラノサイトはマウス神経冠細胞(neural crest cells, NCC)より確立した未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若な発生段階といえるNCCmelb4M5細胞、マウス悪性黒色腫由来細胞株であるMel-Ret細胞を用いてBMP4とMitf、Retとの関係を調べている。BMP4添加時は、最も幼若な発生段階といえるNCCmelb4M5細胞の性質が、未分化なNCCmelb4細胞や分化したNCCmelan5細胞へ、シフトしていく、分化を促進する結果がでている。しかし、RNA interference (RNAi)法によりMitf-MのmRNAをノックダウンした行程では、ノックダウン率が充分に達成できていない。small interfering RNA (siRNA)導入試薬として、すでに検討したなかでより細胞毒性の弱い試薬を使用しているが、さらに検討が必要かもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
マウス皮膚メラノサイトはマウス神経冠細胞(neural crest cells, NCC)より確立した未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若な発生段階といえるNCCmelb4M5細胞、マウス悪性黒色腫由来細胞株であるMel-Ret細胞を用いてBMP4とMitf、Retとの関係を調べている。すでにBMP4添加によって、未分化細胞の分化が促進しているデータがでている。そこにかつて、施行したビタミンD3添加を施行していきたい。メラノサイトの機能が異常を呈した遺伝性対側性色素異常症の皮膚標本からのRNAを用いて遺伝診断をしている。実際の臨床への応用として、エキシマランプ照射での尋常性白斑や遺伝性対側性色素異常症患者に治療を行っており、この治療前後での変化に注目している。また、コロラドのグループは尋常性白斑家系におけるリンケージ解析により免疫調節の鍵を握る尋常性白斑感受性遺伝子であるNLRP1やXBP1が同定した。最近、ゲノムワイドな相関遺伝子解析により免疫細胞からメラノサイトへとつながる生物学的パスウェイの一部をコードする尋常性白斑感受性遺伝子が続々と明らかになってきている。こうした研究にも介入したい。これらの遺伝子やパスウェイは尋常性白斑の発症機序や契機について光明を投げかけ、他の自己免疫性疾患との関係を明らかにし、新たな治療法や予防の手掛かりとなっている。他の自己免疫性疾患として、血管炎を使用し、自己抗体との関連も追及している。
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次年度の研究費の使用計画 |
BMP4添加は、未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若なNCCmelb4M5細胞の分化を促進するのがわかってきた。そこで、未分化なNCCmelb4細胞、分化したNCCmelan5細胞、最も幼若なNCCmelb4M5細胞に、BMP4を添加し、Smad、Smadの活化型であるPhospho Smad、Mitf、Retの蛋白発現量を検討する。さらに、分化を誘導するビタミンD3添加での実験を行う。また、NCCmelb4M5細胞のMitf mRNAをノックダウンさせ、アポトーシスを起こす。そして、アポトーシス関連因子であるFas、Fas-ligand、active caspase3等の発現をELISA法やWestern blotting法、Real-time RT-PCR法について調べる。NCCmelb4細胞、NCCmelan5細胞、Mel-Ret細胞についても同様の確認をする。エキシマランプ照射での尋常性白斑や遺伝性対側性色素異常症患者に治療を行っており、この治療前後での変化に注目している。VASIスコアでの評価を行い、発現因子や物質を探索する。他の自己免疫性疾患として、血管炎を使用し、自己抗体との関連も追及する。
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