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2011 年度 実施状況報告書

神経接着因子関連の脳神経ネットワークから依存を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 23591671
研究機関山梨大学

研究代表者

石黒 浩毅  山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20375489)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード神経接着因子 / 遺伝子発現プロファイリング / 薬物依存 / グルタミン酸神経 / セロトニン神経
研究概要

先行研究により網羅的ヒトゲノム解析とモルヒネ投与ラット脳の遺伝子発現プロファイリングにより、複数の違法性薬物およびアルコールの依存症に神経細胞接着因子NrCAMが重要な役割を果たしていることを突き止めた。本研究ではモデル動物を用いた研究によって、Nrcamが薬物依存および依存と関連の深いうつに働く神経ネットワークを明らかにすることを目的に解析を進めてきた。 研究に用いるNrcamノックアウトマウスはホームケージにて3-4匹飼いで飼育した。heterozygote型の雄雌を自然交配させて、wild、heterozygote、mutant型の仔マウスを得て、3遺伝子型間の比較解析を行った。マウスを安楽死させ脳を摘出し、前頭、線条体、海馬、視床、腹側中脳に分割し、それぞれの組織からRNAを抽出して解析試料とした。 遺伝子網羅的発現解析するためにアレイ(Affymetrix)を用いるが、遺伝子型間での比較解析に統計的に必要十分な個体数を得る必要があり、解析試料の集積は概ね終了している。現在までにアレイ解析に必要なRNA試料を得て、そのクオリティーの確認などを行っていたため、アレイ解析を近日行える予定である。また、アレイとは別途、TaqMan realtime PCR法を用いて、依存あるいはうつ病において薬理学的に興味深いとされる個々の候補遺伝子の発現解析を行ってきた。その結果、未発表ではあるが、Nrcamの発現に影響を受ける遺伝子の存在が明らかになってきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

凍結保存された受精卵からNrcamマウスを得たが、当大学施設の担当者がこの胚操作に相当の期間を要したのが主要な要因である。さらに結果として得られた個体数も少なく、そのために繁殖には時間を要した。ただし、現在までには順調に解析用の個体を得ることができており、統計解析に必要な個体数の組織・RNA試料が概ねそろってきた。アレイ解析は近日中に行われる予定であり、少し遅れてタンパク解析に進められると考えている。

今後の研究の推進方策

当初の研究目標通りに解析を進める。Nrcamマウスを用いて、Nrcamが関わる脳神経ネットワークをさらに詳細に解明し、薬物影響下でのネットワーキングの変化を明らかとする。依存性薬物が影響するネットワーク分子について、それぞれの表現型への作用を明らかにできる。 当該分子に作用する薬剤を選定して依存モデルマウスに投与して活動性、薬物の報酬効果、不安、抑うつ、認知に関する行動解析を行い、その薬理効果を明らかにすることで、精神療法主体かつ難治とされる物質依存および好発する気分障害の新規治療法等の臨床への寄与を試みる。

次年度の研究費の使用計画

前年度に引き続き、遺伝子発現プロファイリングを進める。まずは、naiveマウスのアレイ解析を行い、引き続き、現在準備・集積中のメタンフェタミンあるいはモルヒネ投与マウスの同様の解析を進めていく。なお上記のようにアレイ解析が遅れたため、個々の遺伝子の解析については、予定していた助成金の一部を次年度に繰り越しすることで解析を進める予定である。また、これまでに得られた成果について学会報告や他の依存研究者や神経科学研究者との議論を行って研究の精度向上を図る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] NrCAM and addiction related behaviors2011

    • 著者名/発表者名
      石黒浩毅
    • 学会等名
      第32回内藤カンファレンス
    • 発表場所
      八ヶ岳ロイヤルホテル(山梨)
    • 年月日
      2011年10月20日

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公開日: 2013-07-10  

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