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2012 年度 実施状況報告書

神経接着因子関連の脳神経ネットワークから依存を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 23591671
研究機関山梨大学

研究代表者

石黒 浩毅  山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20375489)

キーワード国際情報交換 / 米国
研究概要

神経細胞接着因子NrCAMは、神経の発達・伸長、コンタクトとネットワーキング、その維持の機能を持つ分子であり、多くの脳神経系の機能に関与している。先行研究にて、NrCAM遺伝子が薬物依存症の易罹患性に関与し、依存関連の行動特徴である不安・社交性・強迫行動に影響を及ぼしていることを明らかにしていたが、その分子メカニズムを網羅的に明らかにすることが、依存の解明と治療法確立に寄与する。
本研究ではマウスをモデルとしてこのNrCAMに影響を受ける分子ネットワークを解析している。Nrcamノックアウトマウスのheterozygote型の雄雌を自然交配させて、wild、heterozygote、mutant型の仔マウスを得る。非薬物影響下であるNaive状態での解析にて遺伝子発現に差異を示す分子群を検出することで、NrCAM関連ネットワークを明らかにしつつある。
さらに薬物影響下での分子動態を同様に比較することでNrCAAMと依存に関連する分子を検出してきた。具体的には、薬物依存モデルとしてメタンフェタミン2mg/kgを投与したマウスを安楽死させ脳を摘出し、前頭、線条体、海馬、視床、腹側中脳に分割し、それらの組織からRNAを抽出して解析している。なお遺伝子網羅的発現解析するためにアレイ(Affymetrix)解析を用い、変化を示した幾つかの神経関連遺伝子はRealtime PCR法にて確認を行う必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Nrcamノックアウトマウスのwild、heterozygote、mutant型について、前頭、線条体、海馬、視床、腹側中脳、各領域での非薬物影響下で神経関連遺伝子の発現差異を明らかにした。さらに薬物依存モデルとしてメタンフェタミン2mg/kgを投与したマウスでの同様な遺伝子型間で遺伝子発現に差異のある遺伝子候補を得た。
現在は、個々の候補遺伝子をにTaqMan realtime PCR法にて確認しつつ、依存症発症前および依存形成後の行動特性に関した分子を検討中である。

今後の研究の推進方策

同定した分子の表現型への作用を明らかにしていくことを目的とし、当該分子に作用する薬剤を選定して依存モデルマウスに投与して行動解析を行い、その薬理効果を明らかにする。C57/B6近交系マウスにメタンフェタミンあるいはコカインを投与して依存モデルを形成し、薬物反応運動量、新奇求性、社交性、不安への影響を検討する。以て、薬物依存の分子メカニズムの解明を図り、依存症治療薬開発への寄与を図る。

次年度の研究費の使用計画

① 前年度より繰り越された助成金は、アレイにて同定した候補分子の個々の遺伝子発現解析を慎重に優先順位をつけて順次行う計画のため、当該年度までに使用せず次年度に引き続き解析を続けるためのものである。つまり、薬物依存モデルの作成のための薬品購入や標的分子の作用薬購入費として用いる。
② 実験動物の購入ならびに飼育管理費として用いる。
③ 研究報告のための学術集会への参加旅費に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] NrCAM-regulating neural systems and addiction-related behaviors.2012

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro H, Hall FS, Horiuchi Y, Sakurai T, Hishimoto A, Grumet M, Uhl GR, Onaivi ES, Arinami T.
    • 雑誌名

      Addiction Biology

      巻: Epub ahead of print ページ: NA

    • DOI

      10.1111/j.1369-1600.2012.00469.x

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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