研究課題
申請者が中心的メンバーとして企画/実施している一万人規模のゲノムコホート研究(長浜0 次コホート研究)の参加者を対象に、主に不眠症を対象疾患として、睡眠障害の質問票調査を追加実施し、その結果を「長浜0 次コホート研究」と統合して解析することが本研究(長浜0次睡眠研究、通称:なごーする研究)の目的である。平成23年度には主にプレテストを行った。平成24年度末までに、133名の調査を実施した。質問票調査に加え、1Chの小型脳波計による睡眠脳波検査およ携帯型装置を用いた睡眠時無呼吸症候群の検査も行なっている。本研究は、産(睡眠県連企業)、官(長浜市)、学(京大)に加えて地域(地域住民が組織したNPO)が共同で研究を実施しており、トランスディシプリナリティ(現実社会に即応する超学際研究)の先行事例として、国内外から評価されている。不眠症の国際共同研究を行うための国際コンソーシアム(International Insomnia Genetics Consortium:IGC)を米国、豪州、アイスランド、オランダ、英国、フィンランド、ドイツ、ノルウェイ、韓国と共に組織した。不眠症に関して約18,000例のゲノムワイド相関解析を行なっている。
1: 当初の計画以上に進展している
当初は質問票のみの睡眠に関する追加調査を計画していたが、睡眠の質の客観的指標である睡眠脳波の取得も同時に行うことができた。睡眠の質を客観的に評価するためには、睡眠脳波検査は必須であり、それを追加実施できることの意義は計り知れない。また、そのために使用している超小型脳波計の精度検証の論文を作成し、現在投稿中である。平成24年度の調査は百数十名の規模であったが、マルチステークホルダーと時間をかけて対話を重ねながら実施していくことが、トランスディシプリナリティ(現実社会に即応する超学際研究)においては重要であり、そのことを如実に示している点でも、トランスディシプリナリティの先行例として重要な所見を提供していると考えている。国際共同研究を開始した。ゲノムワイド相関解析において、数千例以上の規模で疾患群と対照群に加えて、同規模の別集団でその結果が再現されることが望ましいので、これは本研究をさらに発展させるために非常に有用と考えられる。
本研究(長浜0次睡眠研究、通称:なごーする研究)を継続実施する。平成25年度末までに500名の調査を予定している。本研究で収集しつつあるデータは、生命現象を解析するアプリケーションやシステム設計の際にも、主にコントロール群のデータとして利用できると考えており、新たなデバイス開発にもつながるであろう。不眠症の国際共同研究を行うための国際コンソーシアム(International Insomnia Genetics Consortium:IGC)においても、国際共同体制による論文作成を予定している。
疫学調査の匿名化対応管理費として(500千円)。1Ch脳波計測定等のための消耗品費(100千円)。国際コンソーシアム(IGC)について話しあうための旅費(学会と同時期に会議を開くため、学会旅費として計上)(300千円)。論文投稿の諸経費(100千円)として使用する計画である。
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http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kadotani/research.html
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