研究課題/領域番号 |
23591673
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
宮岡 剛 島根大学, 医学部, 准教授 (50284047)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 難治性 / ミノサイクリン / モデル動物 |
研究概要 |
(1) 難治性統合失調症など精神疾患の患者に対する塩酸ミノサクリン投与状況に関する後方視的研究 対象:統合失調症の診断基準を満たす患者およびその他の精神疾患のために、外来および入院治療された患者の内で、精神科治療期間中に何らかの感染症のために塩酸ミノサイクリンの投与した患者(約100名)を研究対象とした。解析:統合失調症やその他の精神疾患患者に対しての塩酸ミノサイクリンの投与状況を詳細に把握し、塩酸ミノサイクリンの投与に関連すると思われる有害事象も詳細に検討する。さらに塩酸ミノサイクリンの投与前後で、対象となった患者の精神症状の重症度変化、錐体外路症状の出現頻度とその重症度、社会適応状況などを比較検討した。(2) 難治性統合失調症など精神疾患の患者に対する塩酸ミノサクリン投与状況に関する前方視的研究 対象:統合失調症の診断基準を満たす患者(約100名)およびその他の精神疾患(約100名)のために島根大学医学部附属病院精神科神経科で外来および入院治療された患者を対象とした。解析:塩酸ミノサイクリン投与群、他の抗生物質投与群、抗生物質非投与群間での精神症状の改善度を解析した。(3) 統合失調症モデルラットおよびGunnラット(先天的非抱合型高ビリルビン血症ラット)の脳組織学的研究 方法:統合失調症様行動パターンをしめすGunnラット(20匹)、従来から統合失調症のモデルとして使用されてきた覚醒剤投与ラット(20匹)、正常コントロールとしてJcl:Wistar系ラット(20匹)を用い、肉眼的形態変化の観察、光顕レベルで大脳皮質、海馬、小脳皮質での特徴的変化の有無を検討した。研究項目:HE、Nissle染色に加え、Iba-1、NCAM、Wntなどのミクログリア、神経発達、神経アポトーシスに関係する分子に対する抗体を用いた組織化学的方法を用いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、以下の研究を遂行し研究成果を論文として発表あるいは発表予定。(1) 難治性統合失調症など精神疾患の患者に対する塩酸ミノサクリン投与状況に関する後方視的研究 対象:統合失調症の診断基準を満たす患者およびその他の精神疾患のために、外来および入院治療された患者の内で、精神科治療期間中に何らかの感染症のために塩酸ミノサイクリンの投与した患者(約100名)を研究対象とした。解析:統合失調症やその他の精神疾患患者に対しての塩酸ミノサイクリンの投与状況を詳細に把握し、塩酸ミノサイクリンの投与に関連すると思われる有害事象も詳細に検討した。さらに塩酸ミノサイクリンの投与前後で、対象となった患者の精神症状の重症度変化、錐体外路症状の出現頻度とその重症度、社会適応状況などを比較検討した。(2) 難治性統合失調症など精神疾患の患者に対する塩酸ミノサクリン投与状況に関する前方視的研究 対象:統合失調症の診断基準を満たす患者(約100名)およびその他の精神疾患(約100名)のために島根大学医学部附属病院精神科神経科で外来および入院治療された患者を対象とした。解析:塩酸ミノサイクリン投与群、他の抗生物質投与群、抗生物質非投与群間での精神症状の改善度を解析した。(3) 統合失調症モデルラットおよびGunnラット(先天的非抱合型高ビリルビン血症ラット)の脳組織学的研究 方法:統合失調症様行動パターンをしめすGunnラット(20匹)、従来から統合失調症のモデルとして使用されてきた覚醒剤投与ラット(20匹)、正常コントロールとしてJcl:Wistar系ラット(20匹)を用い、肉眼的形態変化の観察、光顕レベルで大脳皮質、海馬、小脳皮質での特徴的変化の有無を検討した。研究項目:HE、Nissle染色に加え、ミクログリア、神経発達、神経アポトーシスに関係する分子に対する抗体を用いた組織化学的方法を用いた。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 難治性統合失調症など精神疾患に対する塩酸ミノサクリン投与による増強効果に関する前方視的研究 (二重盲検試験)対象:平成24年4月からDSM-IVで統合失調症の診断基準を満たす患者(約100名)およびその他の精神疾患(約200名)のために、島根大学医学部附属病院精神科神経科で外来および入院治療された患者(計約300名)であり、感染症の有無に拘らず薬物治療の効果が不十分である患者を対象とする。対象中の統合失調症患者(約50名)、およびその他の精神疾患患者(100名)に対し、投与中の抗精神病薬に塩酸ミノサイクリンを追加投与する。研究観察期間は12週間とする。解析:塩酸ミノサイクリン追加投与群と塩酸ミノサイクリン非投与群間での精神症状の改善度を解析する。塩酸ミノサイクリンの投与が精神症状の改善に有効な統合失調症の特徴や傾向を詳細に解析する。他の精神疾患に関しても詳細に解析する。(2) 覚醒剤投与ラットおよびGunnラットの行動学的研究 方法:覚醒剤投与ラット(20匹)、Gunnラット(20匹)、正常コントロールとしてJcl:Wistar系ラット(20匹)を用い、各群間の社会行動学的特徴の変化の有無を検討する。また、塩酸ミノサイクリンおよび抗精神病薬の行動特徴に対する効果も検討する。研究項目:母子育児行動、社会相互作用、記憶行動、ストレス反応行動、プレパルスインヒビッションなど行動学的評価法を用いる。塩酸ミノサイクリンおよび抗精神病薬を各群に投与し、行動学的特徴に対する影響を解析する。解析:覚醒剤投与ラットやGunnラットが、これまでの統合失調症モデルラットに認められる行動特徴の共通点や相違点を検討し、覚醒剤投与ラットやGunnラットに認められる行動特徴が塩酸ミノサイクリンおよび抗精神病薬によっていかに変化するかを解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費1,500千円の使用計画は、以下のとおりである。設備備品:小動物用ECスティミュレータ(室町MK-810) 480,000円実験動物:覚せい剤投与ラット、正常コントロールとしてJcl:Wistar系ラット40匹、Gunnラット20匹を使用する予定であるため、Wistar系ラット1匹約3500円×40匹=14万円、Gunnラット1匹約13000円×20匹=26万円、計400,000円免疫染色用試薬等:中性緩衝ホルマリン液、スライドグラス、カバーグラス、PBS等試薬 計220,000円抗体等試薬:Iba1抗体、CD11b抗体、NeuN抗体、ABCキット(ラット抗体用)、ABCキット(マウス抗体用)、蛍光抗体Alexa488、蛍光抗体Cy3、塩酸ミノサイクリン、その他試薬、計400,000円
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