研究課題/領域番号 |
23591681
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
秋山 一文 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40150990)
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研究分担者 |
倉冨 剛 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00593592)
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能 / 一塩基多型 / 染色体22q11.2-12.1領域 |
研究概要 |
第22染色体22q11.2~22q12.1は統合失調症脆弱領域と考えられている。この領域のいくつかの遺伝子の一塩基多型(SNP)が日本人統合失調症患者及び健常対照者の認知機能にどのような影響を与えるかを調べるのが研究の概要である。これまで集積した獨協医科大学病院またはその関連病院に通院中または入院中の統合失調症の患者240名、及び患者と性差・年齢をなるべく近似させた健常対照者240名を本研究の対象として、全般的な認知機能検査としてその有用性が証明されている統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を行った。病前の知能指数はJapanese Adult Reading Test (JART)を用いて推定した。これら計480名の対象者の血液からDNAを抽出した。平成23年度から、本研究の実際の解析を委託する理研ジェネシスと緊密な連絡を取り、研究を取り進めた。引き続き理研ジェネシスと緊密な連絡を取り、選定作業を行った解析の対象となる144個のSNPについて平成24年度にイルミナ社®チップ(商品名カスタムGoldenGateジェノタイピング)による網羅的解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最大限のエフォートを使い、統合失調症の患者と健常対照者の集積も地道に行ったうえで、1年間かけて入念な準備をして解析を実施した。GoldenGateジェノタイピングの実施に熟練した理研ジェネシスに委託したのが順調に進展した大きな理由であると考えられる。本研究の実施とは直接的な関係はないが、第22染色体22q12.1領域に位置するHermansky-Pudlak syndrome type 4 (HPS4)遺伝子と統合失調症の関連についての論文が受理され(Saito et al 2013)、本研究の進展にとって大きなはずみとなった。
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今後の研究の推進方策 |
当該科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書に記載したように研究を推進していく。平成24年度に実施した上記のGoldenGateジェノタイピングのデータの集計業務を理研ジェネシスに委託し、最終的なデータを基に、統計ソフトSPSSによるAnalysis of Covarianceを行い解析する。具体的には、BACS-J の各項目(言語性記憶、ワーキングメモリー、運動機能、言語流暢性、注意、遂行機能)の健常対照者における成績を基に、BACS-J の各項目のz-scoreとcomposite scoreを算出する。それぞれのSNPの遺伝子型、診断(健常対照群vs統合失調症)を独立変数にして、z-score、 composite scoreを従属変数にして、性、年齢、JARTによって推定した病前知能指数、教育年数を健常対照者、統合失調症患者群に共通した共変量とする。これに加えて統合失調症患者群内では発症年齢、抗精神病薬投与量、抗コリン薬投与量、抗不安薬投与の有無、陽性・陰性症状なども共変量にする。
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次年度の研究費の使用計画 |
GoldenGateジェノタイピングのデータの集計業務を理研ジェネシスに委託する委託費、及びGoldenGateジェノタイピング実施以降に集積したDNAサンプルも加えて、認知機能との有意な相関が認められたSNPを確認するためのTaqmanジェノタイピングアッセイの購入にあてる。
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