研究課題
我々は22q12.1領域に位置するHermansky-Pudlak syndrome type 4 (HPS4)遺伝子と統合失調症の関連(Saito et al 2013)、及び統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を用い、HPS4遺伝子について統合失調症患者及び健常対照者の認知機能の成績との有意な相関を報告してきた(Kuratomi et al. 2013)。本研究では統合失調症の患者240名、及び患者と性差・年齢をなるべく近似させた健常対照者240名を対象として、BACS-Jを実施し、病前の知能指数はJapanese Adult Reading Test (JART)を用いて推定した。解析の対象となる22q11.2-22q12.1領域の144個の一塩基多型(SNP)について網羅的解析を実施した。BACS-J の各項目の健常対照者における成績を基に、BACS-J の各項目のz-scoreとcomposite scoreを算出した。それぞれのSNPの遺伝子型、診断を独立変数にして、z-score、 composite scoreを従属変数にして、性、年齢、JARTによって推定した病前知能指数、教育年数を健常対照者、統合失調症患者群に共通した共変量とした。その結果、DiGeorge syndrome critical region 2 (DRCR2)、Ubiquitin fusion degradation 1 like (UFD1L)、Zinc finger protein 74 (ZNF74)、Kelch-like family member 22 (KLHL22)、及び22q12.2に位置するAspartate beta-hydroxylase domain containing 2 (ASPHD2)、Hermansky-Pudlak syndrome 4 (HPS4)の各遺伝子のそれぞれ1個のSNPにBACS-Jの複数の項目の認知機能と有意な相関が認められた。
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精神科
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