研究課題/領域番号 |
23591684
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
加藤 正樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (00351510)
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キーワード | 無作為比較試験 / 薬理遺伝 |
研究概要 |
未治療の大うつ病患者180例を対象にSSRI 90例(paroxetine 45例, fluvoxamine 45例)NaSSA(mirtazapine)90例を無作為に割り付け、うつ症状の重症度と副作用を12週まで評価しました。DNAを開始時に血液より抽出、血漿と脳波は治療開始時と治療開始4週ご12週後に評価しました。治療開始4週後のnon-response群に対し、無作為に補充療法追加群、単剤療法継続群に割り付け、補充療法追加群においては、SSRI群にはNaSSAを、NaSSA群にはSSRI(paroxetine,sertralineは無作為割り付け)を補充療法として追加しました。治療開始8週後、単剤継続群においてnon-remission群に対し補充療法を行いました。現在4週時までの比較試験の解析が終了しており、ミルタザピン群において2週時で寛解患者が多く認められていた。4週時にはSSRI群、ミルタザピン群の治療反応性にに有意な差は認められなかった。現在は、12週までの経時的な経過を解析し、遺伝子との関連解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象患者を比較的順調にリクルートしていましたが、試験からの脱落例が多く、予想よりもエントリーに時間がかかりました。最終的にエントリー期間を3ヶ月延長し、200例弱の未治療うつ病患者を収集したため、それらのデータを解析するのが2ヶ月ほど遅延したため、補助事業期間の延長申請を提出しております。現在は、データ解析中です。
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今後の研究の推進方策 |
すでに解析が済んでいる4週時までの結果を、2014年欧州神経精神薬理学会で発表する予定です。12週までの結果と遺伝子との関連も含めた、薬理遺伝結果、2014年の日本臨床精神神経薬理学会で発表する予定です。同時に、論文執筆を進めていきます。
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次年度の研究費の使用計画 |
対象患者を順調にエントリーしていましたが、試験から脱落する患者が予定より多く、エントリー期間を3ヶ月延長したため、遺伝子解析の開始が2ヶ月遅くなりました。それらデータを、共同研究施設のボローニャ大学のAlessandro Serrettiの指導のもと、遺伝統計解析を施行する予定でしたが、上記遅れにより、今年度中に解析を終了できず、未使用額が生じた。 このため、ボローニャ大学のAlessandro Serretti教授の研究施設での遺伝統計解析とその結果の検討を次年度の4月まで1ヶ月延長し行うこととし、その滞在に関する費用(交通費、滞在費など)と、解析に使用するパソコンや解析ソフトなどの費用が次年度に発生するため、残金をそこにあてることを申請します。
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