研究実績の概要 |
未治療の大うつ病患者180例を対象にSSRI90例(paroxetine 45例, sertraline 45例)もしくはMirtazapine 90例を無作為に割り付けうつ症状の重症度と副作用を評価しました。DNAを開始時より血液より抽出、血漿は治療開始時と投薬後4週、12週後に評価しました。治療開始時にはさらに定量脳波、虐待歴、気質を評価しました。治療開始4週後の、未反応者(non-responder;うつ症状の改善率が50%未満と定義)に対し、再度無作為割り付けの介入として、補充療法追加群、単剤療法継続群に割り付け、補充療法追加群では、SSRI群にはMirtazapineを、Mirtazapine群にはSSRIを補充療法として割り付けました。また、治療開始8週後の未寛解の単剤継続群において、補充療法を行った。早期反応性2週時においてはミルタザピン群のHAM-D改善率、寛解率がSSRI群よりも良好であったが、4週時においてはこの2群間に有意差は認められなかった。 4週時のnon-responderにおいては、SSRI群では、単剤継続群、Mirtazapine補充療法群、どちらも8週時の改善率に差が認められず、Mirtazapine群においては、単剤継続群のほうがSSRI補充療法群よりも、8週時の寛解率が高かった。150例を越える大きなサンプル数のリクルートが終了し臨床効果解析が終了しており、現在、有害事象評価、遺伝子の影響の詳細な評価を継続中である。
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