研究課題/領域番号 |
23591686
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
竹林 実 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), 精神科, 科長 (60304440)
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研究分担者 |
仲田 義啓 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40133152)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 抗うつ薬 / グリア / アストロサイト / GDNF / 気分障害 |
研究概要 |
抗うつ薬のグリア(アストロサイト)における作用点を明らかにする目的で、機能的アプローチ(1)および直接的アプローチ(2)の双方向から検討した。(1)抗うつ薬によるグリアへの作用をグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)産生を指標に分子薬理学的検討を行った。抗うつ薬→マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性化→線維芽細胞成長因子(FGF)2切り出し→FGF受容体の活性化→MEK/ERK/CREB系を介したGDNFmRNA増加→GDNF蛋白の遊離の一連のプロセスを明らかにした。(2)アフィニティクロマトグラフィの手法を用いて検討を行った。数種類の抗うつ薬ビーズの作成に成功し、これをリガンドとしてグリア細胞溶解液と反応させて、抗うつ薬と直接結合する蛋白質を免疫沈降、電気泳動および銀染色を用いてバンドとして表出することに成功した。これらの結果から、抗うつ薬はグリアにおいて、細胞膜近傍のMMPの活性化に関連する部位に直接作用することが想定される。また、直接的アプローチの手法の基礎的段階はクリアできたため、今後は条件の最適化やアミノ酸解析を行うことにより候補蛋白の探索へ進むことができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機能的アプローチは順調に解析が進んだが、直接的アプローチによる基礎的検討および条件の最適化に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
機能的アプローチに関しては直接的アプローチよりも軌道に乗っているため、機能的アプローチを推進する。特に抗うつ薬によるMMP活性化に焦点をあてて解析を行う。例えば活性化されるMMPのサブタイプやMMP活性化因子(G蛋白など)の関与も検討する
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次年度の研究費の使用計画 |
分子薬理学的手法に関する消耗品に使用する。
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