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2011 年度 実施状況報告書

インスリン抵抗性が気分障害の遷延化に与える影響に関する包括的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591695
研究機関群馬大学

研究代表者

成田 耕介  群馬大学, 医学部, 講師 (70345677)

研究分担者 三國 雅彦  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00125353)
福田 正人  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20221533)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードインスリン抵抗性 / MRI / VBM / ASL
研究概要

頭部MRIを用いて、Voxel-Based-MorphometryおよびDTI, Arterial Spin Labeling法,resting f-MRIおよびMRSなどの複数の撮像法を施行する.Voxel-Based-Morphometry は,局所脳堆積を定量的に評価する検査手法であり,解析ソフトウエアとしては,主にSPM8およびFSLを使用する予定である.DTIでは,やはりFSLを用いて,Fractional anisotropyやdiffusionを全脳で定量的に評価する.Arterial Spin Labeling法は,SPM8を用いての解析が可能である.さらに,MRIのほか,光トポグラフィー検査,脳血流IMP-SPECT検査,遺伝子検査など多角的な検査の施行を予定している.これらの高次脳画像と,BMIやウエスト・ヒップ比や、その他の動脈硬化危険因子の関連性を検討し,インスリン抵抗性が脳機能に与える影響について調べ,その病態生理学的メカニズムを解明する.今後は、頸動脈エコーを用い、全身の動脈硬化の指標となりえるIMTと、前述のMRI所見との関連を評価して行くことも予定している。平成23年度には,0.5mgデキサメサゾン負荷試験において非抑制を示さない健常人を対象として,0.5mgデキサメサゾン・CRH試験において,過剰抑制を示す対象において,海馬体積が有意に小さいことを示した.デキサメサゾン・CRH試験において非抑制を示す群が,有意に海馬体積が小さいとの報告は従来からなされていたが,非抑制群についてはわれわれの報告がはじめてである.コルチゾールの慢性的分泌異常は耐糖能異常と密接に関連していることから,前述のわれわれの報告も踏まえて,気分障害を対象に,脳画像による多角的検査だけでなく,内分泌学的異常も視野に研究を進めてゆく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度,0.5mgデキサメサゾン負荷試験において非抑制を示さない健常人を対象として,0.5mgデキサメサゾン・CRH試験において,過剰抑制を示す対象において,海馬体積が有意に小さいことを示した.デキサメサゾン・CRH試験において非抑制を示す群が,有意に海馬体積が小さいとの報告は従来からなされていたが,非抑制群についてはわれわれの報告がはじめてである(Human Brain Mapping, In press).コルチゾールの慢性的分泌異常は耐糖能異常と密接に関連していることから,これらの研究調査は,気分障害を対象として今後調べて行く必要があることが改めて示すことが出来たと考えられる.このわれわれの報告も踏まえて,気分障害を対象に,脳画像による多角的検査だけでなく,内分泌学的異常も視野に研究を進めてゆくため,平成23年度内に,MRI検査,光トポグラフィー検査,脳血流IMP-SPECT検査,遺伝子検査など多角的な検査の施行するための人員確保や検査体制の構築を行った.また,SPM8やFSLに代表される画像解析ソフトウエアの作動環境の整備についても,同時に進めることができた.MRSについては,特殊なパルスシーケンスであるMEGA-pressを導入するため,他施設からの技術援助を進めているところである.総括して,検査データ収集体制はほぼ確立され,現在は現体制を用いて,精力的に臨床データを収集している.

今後の研究の推進方策

インスリン抵抗性と脳MRI所見を横断的に評価するだけでなく、生活習慣の完全によるMRI所見の変化の有無や、認知機能・精神症状の関連をより詳細に検討する方針である。このために多角的検査を施行するのだが,しかし,例えば頭部MRIを用いたVoxel-Based-MorphometryおよびDTI, Arterial Spin Labeling法,resting f-MRIおよびMRSなどの複数の撮像法を施行し,これらのデータを解析するためには,当然であるがコンピュータやソフトウエアなどの環境面の整備だけでは不十分である.今後も,技術補佐員を雇用することは言うまでもなく,解析技術について,他施設から技術支援を受ける必要がある.SPECTについても,旧来より用いられてきた3D-SSPだけでなく自動的にROI法を施行可能なSEE法も導入予定であり,このためには当院核医学科からの技術援助を得る予定である.神経心理学的検査については,ソフトウエアの年次毎のライセンス購入が必要となる.さらに,例えばMRI画像解析について言えば、現在も新たな解析法の開発が各方面から提案されている。このような状況の中、データの収集に合わせて、より再現性・妥当性の高い解析法を調査する必要がある。この為には、複数の解析法が施行可能な解析環境を整える必要がある。このため、必要な解析機器あるいはソフトウエアの購入,および人員の補充や他施設からの技術的支援の導入を続ける方針である。

次年度の研究費の使用計画

頭部MRIを用いて、Voxel-Based-MorphometryおよびDTI, Arterial Spin Labeling法,resting f-MRIおよびMRSなどの複数の撮像法し,解析技術について,他施設から技術支援を受ける必要から,旅費や会議費,消耗品への支出が必要となる.また新たな解析技術の導入に合わせて,解析環境としてコンピュータの購入やソフトウエアの導入を今後も続けなければならず,これらについての支出も必要である.神経心理学的検査については,ソフトウエアの年次毎のライセンスの購入が必要となる.またデータ量が膨大となるため,データの入力者,神経心理学検査の施行者など,技術補助員についても,今後も雇用を続ける必要がある.脳血流IMP-SPECTについては,施行毎にリガンドを購入する.さらに,健常データの収集では,謝金の支出も必要となる.研究のプライマリーエンドポイントで得られた知見の発表においても,旅費が必要となる.MRSにおいては,ファントムの購入やファントム作成のための試薬の購入が必要である.さらに,解析ソフトウエアであるLC-MODELやjMRUI導入のための設備環境を整えるため,支出が必要である.上記のほか,CD-rやDVD,ノート,筆記用具,あるいは遺伝子解析,mRNA解析,光トポグラフィー検査に必要な試薬,酵素などの消耗品についても,随時購入を続けて行く.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Associations among parenting experiences during childhood and adolescence, hypothalamus-pituitary-adrenal axis hypoactivity, and hippocampal gray matter volume reduction in young adults.2012

    • 著者名/発表者名
      Narita K, Fujihara K, Takei Y, Suda M, Aoyama Y, Uehara T, Majima T, Kosaka H, Amanuma M, Fukuda M, Mikuni M.
    • 雑誌名

      Hum Brain Mapp

      巻: In press ページ: In press

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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