研究課題/領域番号 |
23591707
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
中込 和幸 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, 上級専門職 (30198056)
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研究分担者 |
最上 多美子 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80368414)
兼子 幸一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50194907)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 認知矯正療法 / 多施設共同臨床試験 / 無作為化対照比較試験 / 統合失調症 / 認知機能障害 |
研究概要 |
今年度は、研究代表者の転勤に伴い、研究体制の変更を余儀なくされた。前任地である鳥取大学では、引き続き研究分担者である兼子と最上が認知矯正療法を用いたRCTを進行中であるが、データ集積ははかどらず、1年間でNEAR(Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation)実施者2名(男女1名ずつ、それぞれ43歳、26歳)および待機者3名(男性2名、女性1名、31歳、33歳、33歳)が研究導入後6ヶ月まで完了し、2名が中途で脱落した。一方、新任地である国立精神・神経医療研究センターでは、認知矯正療法を実施する部屋(ラーニングルーム)の整備およびプログラムに用いられるソフトウェアの探索・購入から始まり、治療スタッフ4名に対して認知機能に関する教育を行い、スタッフ4名によって各ソフトウェアの課題分析(活動概要、必要な読み取り能力ほか技能、標的となる認知障害、課題の適応度、マルチメディア、治療者の介入必要性、長所・短所)を進め、各ソフトウェアに習熟するとともに、認知機能への理解を深めるよう努めた。同時に、インテークにおける動機付けの方法についても学習を促進した。その後、患者4名を対象に実践訓練を開始し、現在は訓練開始後3ヶ月が経過した時点である。各セッション後に振り返りのためのミーティングを行い、次回のグループセッションの組み立てについてもスタッフの自主的判断を促した。4名のうち、1名は出席率が低く、開始後3ヶ月に脱落、他2名は3ヶ月が経過し、いずれもBACS(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)の総合総計点は改善を示した。残る1名は、中途からの参加で、まだ1ヶ月を経過していないが、参加意欲も高く、全セッションに出席しており、順調な滑り出しを見せている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の転勤によって、研究体制の変更を余儀なくされ、新任地で改めて認知矯正療法のトレーニングをスタッフに施す必要性に迫られたため、RCTの開始が遅れることとなった。また、前任地でも研究代表者がいなくなったということも影響し、データ集積が進まず、予定より進行が遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
国立精神・神経医療研究センターでは、すでに治療スタッフのトレーニングも進み、RCTを開始できるレベルにまで進んでいると考えられる。したがって、倫理審査委員会への申請およびUMINへの登録を行い、センター内のデイケアと連携して、患者登録を積極的に進める予定である。さらに、これまで鳥取大学を中心に実施してきたNEAR(Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation)の研修会に参加した施設に研究参加を呼びかけ、多施設共同臨床試験の体制を作り上げる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、多施設による打ち合わせ、被験者への謝金および参加施設での研究実施のための準備(ソフトウェア、フィデリティのチェックなど)に費やされる予定である。
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