研究課題/領域番号 |
23591714
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
光安 博志 九州大学, 大学病院, 助教 (00533176)
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研究分担者 |
川嵜 弘詔 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50224762)
光安 岳志 九州大学, 大学病院, 助教 (00380519)
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キーワード | 口腔癌 / コンサルテーション・リエゾン精神医学 / せん妄 / 炎症性サイトカイン / 手術 |
研究概要 |
平成25年度の研究参加者は11名(男5名、女6名)であった。前年度までの対象者を含めた結果を記載する。 (1)対象者:計46名(男26名、女20名)、平均年齢は、63.1歳(男60.3歳、女66.7歳)であった。(2)診断:術後せん妄が発症した対象者は5名(せん妄群)、せん妄発症なし(なし群)は41名であり、せん妄の発症率は10.9%であった。平均年齢は、せん妄群(74.4歳)がなし群(61.7歳)よりも高齢であった(p=0.020)。ニーチャム錯乱混乱スケールの最低点は、なし群24.1点、せん妄群15.8点であった。(3)心理検査:HDS-Rについては、せん妄群28.8点、なし群28.9点であり有意差は認められなかった。HADSについては、せん妄群10.2点、なし群9.0点で、有意差は認められなかった。(4)臨床情報・手術情報:性別、術前放射線治療、術前化学療法、飲酒歴、入院後の睡眠薬使用、難聴、視力障害に関しては有意差は認められなかった。診断別で有意差を認めたものは、年齢(単位オッズ比1.1)およびオピオイド使用(オッズ比19)であった。手術時間は対象者全体で10時間41分であり、診断別では、なし群10時間32分、せん妄群11時間56分であった。(5)血液検査、生物学的指標候補の検査:術前の検査値で有意差を認めたものは、アルブミン(単位オッズ比0.02)、BUN(1.36)、赤血球数(0.096)、ヘモグロビン(0.44)、インターロイキン1(IL-6)(1.30)であった。術後の検査値については有意差は認められなかった。(6)多変量ロジスティック解析の結果、変数増加法では術前のオピオイド使用の有無、およびIL-6値、また、変数減少法では術前のオピオイド使用および術前アルブミン値がそれぞれ有意な要因であり、せん妄発症の予測に有用な可能性が示唆された。
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