研究課題/領域番号 |
23591716
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
今村 明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40325642)
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研究分担者 |
成田 年 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40318613)
黒滝 直弘 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20423634)
小澤 寛樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50260766)
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キーワード | エピジェネティクス / 虐待 / 発達障害 / DNAメチル化 |
研究概要 |
我々は、被虐待児の末梢組織由来細胞を用いて、発達障害児、健常対照児との比較により、虐待などの人生早期のストレスによるエピジェネティック変化を検出することを計画している。対象として長崎県内の5施設で構築している「長崎県子どもの心診療拠点病院ネットワーク」により、被虐待児、発達障害児のケースを集積する。すでに長崎大学ヒトゲノム倫理委員会に申請を行い、研究の承認を得ている。昨年度は性と年齢をマッチした被虐待児、発達障害児2組(17歳女性、15歳男性)の末梢血由来のDNAに対して、マイクロアレイにより全ゲノムを網羅したDNAメチル化解析を行ったが、今後検討すべきCpGサイトを絞りきることができなかった。今後は対象者数を増やし、健常対照児群を入れて3群で比較を行い、メチル化の検討を行う遺伝子を絞ってメチル化解析を行う予定である。現在、唾液からDNA抽出を行うための予備実験を行っている。 また昨年度は2014年3月8日―9日に東京で開催された「2nd Asian Congress on ADHD」の「Genetics and epigenetics of ADHD and MPH response」というシンポジウムに参加し、「Epigenetic mechanisms may underlie the etiology of attention-deficit/hyperactivity disorder」というタイトルで、ADHDと被虐待児のエピジェネティック変化について発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マイクロアレイにより全ゲノムを網羅したDNAメチル化解析を行ったが、現状として今後検討すべきCpGサイトを絞りきることができていない。また現状としては解析を行った対象者が少ない。
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今後の研究の推進方策 |
今後はメチル化の検討を行う部位をNR3C1、BDNF、MeCP2、5HTT、DAT、OXTRなど、被虐待児や発達障害でメチル化の報告がある遺伝子に絞ってメチル化解析を行う予定である。また健常対照児群を入れて、対象者数を増やし、今後は3群で比較を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は主として血液からDNAを採取する予定であったが、対象が子どもであるため、どうしても採血が嫌われる場合が多かったため、今後は主として唾液からDNA抽出を行う予定である。 OrageneR DNAキット(和光純薬工業)を使用して、唾液からDNAを抽出する。被虐待児群30例、発達障害群30例、健常対照群30例を目標とする。
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