本研究は、レビー小体型認知症(DLB)の臨床症候の長期経過を調査することを目的とした。16例のDLB患者を前向きに2年間調査した縦断的研究では、DLB患者の認知機能は、薬物治療により1年間は維持されるが、2年後には薬物治療を継続していてもベースラインより悪化することが示された。一方精神症状については、アルツハイマー病では認知症が重度になるにつれて精神症状が段階的に悪化するのに対して、DLBでは病初期から激しい精神症状を認めるが、認知症が重度になっても精神症状の程度はほとんど変化しないことが明らかとなった。これらの知見は、DLBに対する適切な治療やケアを実施するために重要な知見と考えられた。
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