研究課題/領域番号 |
23591721
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
河西 千秋 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50315769)
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研究分担者 |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00337156)
加藤 大慈 横浜市立大学, 大学病院, 講師 (70363819)
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キーワード | 自殺予防 / メンタルヘルス / 安全管理 / 教育・啓発 / チーム医療 / ポストベンション |
研究概要 |
本研究では、先行研究により明らかにされている病院内の自殺事故の実態(岩下ら,2006;Kawanishiら,2007)を基に,院内自殺予防のために病院が執るべき措置と、病院職員が習得すべき知識とスキルを学ぶための教育プログラムと教材を作成した。そして平成23年度に研修会を開催した。24年度は、前年度に引き続き、計2回の研修会を開催し、全国22病院から44人の医療職が参加した。 平成24年度は、さらに教育内容の質を高めるために、プログラムの改訂を行うとともに、新たに自殺事故後の対応/ケアを学ぶための視覚教材(DVD)を作成し、研修プログラムに導入した。また、プログラムの効果を測定するために前年度に作成した質問紙を用いて研修参加者を対象に調査を行い、その結果を集計・解析した。その結果、参加者の満足度が非常に高く、プログラムが知識とスキルの習得に効果的であることが明らかにされた。加えて、平成24年度は、前年度参加者のためのフォローアップ研修会も実施し、参加者が自院で実施する自殺予防対策を支援した。 本研究の最終的な目標は、自殺事故の低減にあるが、平成24年度末には、研修参加施設における自殺予防対策の進捗と自殺事故の実態を調査するための質問紙を作成し、調査の準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画した課題はすべて実施をした。そして、新たに、自殺が生じた後の事後対応のための教育動画を作成し、教材ツールとして研修に導入した。 また、当初は、研修の効果を測定するためのヒアリングを予定したいたが、研修への満足度調査を踏まえ、当初予定をさらに発展させた形で研修受講者のためのフォロー・アップ研修を企画・立案し、実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、研修プログラムの改訂を行い、また新たな動画教材を作成する予定である。研修会は年間3回実施し、既参加者のためのフォローアップ研修会を実施する予定である。なお、通常の研修会3回のうち1度は、各施設から1名づつの参加を受け付け、これまでとは異なる研修形態で研修の効果を測定する。今年度中に、3か年間の研修参加者の研修会への満足度と、自殺予防に関する知識の習得、態度の変容等について測定したデータを集計・解析し、最終的に研修の効果を判定する。また、研修会参加者の所属する病院における自殺予防対策の取り組みについても集計・解析し、自殺事故低減に対する有効性を検討するとともに、課題を抽出し、明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画の遂行、および研究の質の担保のために、以下の使用計画を立てている。 データ解析のためのパーソナル・コンピューター、統計解析のためのソフトウェア、動画教材作成・編集のためのソフトウェア、教材作成のためのdvdメディア、用紙・文具、プリンター消耗品などを購入する。 また、会議、成果発表のための旅費、データ入力作業のための人件費・謝金を支払う予定である。その他、論文作成の際の英文校正費用を支払う予定である。
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