研究課題
本研究は強迫性障害(OCD)患者における自閉傾向と脳の形態学的異常との関係を検討をするものである。最終年度ではVBMを用いて最終的な画像解析を行った。構造化面接でOCDと診断された患者のうち、Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale(Y-BOCS)得点が17以上、WAIS-IIIによる推定IQが80以上の者20名(男性10名、平均年齢34.1±8.5歳)を対象とし、健常者群は、年齢、性別、利き手が一致し、WAIS-Rによる推定IQが80以上の者30名(男性15名、平均年齢31.2±8.5歳)を対象とした。磁気共鳴画像(MRI)の撮像はGE社製Discovery MR750 3.0Tを使用した。解析は、T1強調画像からVBM8を用いて大脳灰白質を抽出した後、まず、SPM8を用いOCD患者と健常者における灰白質体積の群間比較を行い体積に差異を示す部位を探索した。次に、OCD患者を対象に灰白質体積とAQ得点が相関する部位を、年齢、性別およびY-BOCSの影響を共変量として除外し、同定した。その結果、群間比較においては、OCD患者は健常者と比較して、両側中前頭回で灰白質の体積が減少していることが示された。相関解析では、OCDの患者において左背外側前頭皮質と左扁桃体にAQ得点と灰白質体積に正の相関がみられ、負の相関は見られる脳部位はなかった。また、左背外側前頭皮質と、左扁桃体は互いに相関していることも示された。一方、健常者においてはAQ得点との相関はみられなかった。
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Magnetic Resonance in Medical Sciences
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