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2011 年度 実施状況報告書

タウオパチーにおけるエンドサイト―シス障害とビトロネクチン蓄積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591735
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

丸山 将浩  独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (80396481)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードビトロネクチン / タウオパチー / 歯状回分子層 / 中枢疾患分子マーカー
研究概要

ビトロネクチン(Vn)欠損マウスの組織を用いて、市販されている様々な抗マウスVn抗体特性を免疫組織学的並びに生化学的に評価し、その中で最も特性の優れた抗体を選定した。同抗体を用いてVn野生型タウモデルマウスの脳組織染色を行なったところ、嗅内皮質、海馬支脚、特に歯状回分子層に明瞭な染色像を確認した。同マウスを4、9、14月齢に区切って染色を試みると9月齢に強い蓄積像が観察され、14月齢にもその蓄積像は維持されていた。この所見は嗅内皮質の病変形成に一致して出現するものと考えられ、投射先である歯状回領域に蓄積して神経保護、修復や新生機構に寄与しているものと思われる。そこでVnの病態への影響を明らかにするために、Vn欠損タウ掛け合わせマウスとVn野生型タウモデルマウスの縦断的形態イメージング並びに横断的病理学的、生化学的比較解析実験を開始している。このVn蓄積機構は局所で発現するのではなく、血流に存在していたVnが脳関門を通過して炎症局所に集積したものと予想している。今後ヒトタウオパチーにもマウスと同様の現象が引き起こされているか否かを確認する事を予定している。当該現象が虚血や低酸素脳症、更には統合失調症を始めとする現在病態不明とされる中枢性疾患にも確認されれば、Vnを新規中枢疾患分子マーカーとして位置付ける事により同タンパクを介した病態機構の解明を通じて関連する分子を標的としたイメージング剤や治療薬の開発を目指せる可能性が見込まれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Vn蓄積を確認するうえで申請当初に使用していたA社抗体は異なるタンパクを認識する事が明らかとなり実験を遂行する事自体が危ぶまれたが、B社抗体ではVn欠損マウスで認識しない事を生化学的にも確認し、同抗体による組織染色においても病変領域に染色像が確認され、実験遂行上支障ないと判断した。

今後の研究の推進方策

1.モデルマウスでのVn蓄積所見とヒトタウオパチーでの病理学的整合性の検討2.局所に蓄積するVnの発現機構の解明

次年度の研究費の使用計画

1.ヒトVn抗体を用いてタウオパチーや他の精神神経疾患脳病理学的染色実験2.In situ hybridisation法による局所での遺伝子発現の有無の検討

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] PET Applications in Animal Models of Neurodegenerative and Neuroinflammatory Disorders.2011

    • 著者名/発表者名
      Higuchi M, Maeda J, Ji B, Tokunaga M, Zhang MR, Maruyama M, Ono M, Fukumura T, Suhara T.
    • 雑誌名

      Curr Top Behav Neurosci.

      巻: epub ahead of print ページ: /

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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