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2012 年度 実施状況報告書

タウオパチーにおけるエンドサイト―シス障害とビトロネクチン蓄積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591735
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

丸山 将浩  独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (80396481)

キーワードビトロネクチン / タウオパチー / 中枢神経分子マーカー / インテグリン受容体 / 再ミエリン化 / 神経修復機構 / オリゴデンドロサイト前駆細胞
研究概要

認知症タウオパチーモデルマウスでは海馬領域タウ病変出現だけでなく同領域の有髄神経軸索にビトロネクチン(Vn)が蓄積する。そこでVn蓄積メカニズムを遺伝子的に確認する為に、Vnとその受容体の一つであるインテグリンbeta5受容体(ITGB5)をIn-situ hybridization法によって野生型マウスと比較検討した。Vn mRNAは主に血管周囲細胞と軟膜細胞に発現しており、野生型マウスと比較して分布や量に明らかな違いを認めなかった。一方、ITGB5 mRNAは病変部位に集族したミクログリアに発現していることを確認した。以上より同モデルの海馬領域に蓄積したVnは疾患に伴って局所で過剰産生されたものでないこと、同領域の主なITGB5発現細胞はミクログリアであることが明らかとなった。
Vn遺伝子欠損したタウマウスを作製し、小動物MRIにて海馬容積をVn野生型マウスと比較した。Vn野生型マウス群は海馬容積にバラツキを認めるものの、Vn欠損群は一様に強度の萎縮を呈していた。撮影終了後、Vn野生型マウスを解剖して組織切片を作製し免疫組織学的に評価した。病変部のVnやミエリン塩基性タンパクシグナル値は海馬容積に関連していること、またITGB3タンパクシグナルが同領域に陽性化していることを確認した。更にタウ封入体を形成している領域ではITGB3だけでなく、ITGB5タンパクシグナルが陽性化していることを確認した。これらの一連の結果は、病変部におけるVnの蓄積とその受容体であるインテグリン発現による脱ミエリンに対する防御並びに、再ミエリン化に向けた神経修復過程を観察している可能性が考えられた。
当メカニズムが様々な精神神経疾患の神経修復機構に該当するのか否かを明らかにすると共に、病態に影響すると見込まれる分子を標的とした診断治療薬開発を目指したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

タウ病変に伴い蓄積したVnが神経保護や修復機構に寄与していることを示唆する数々の結果を得ることが出来ており、現在のところ研究の方向性を大きく修正する必要が無いように思われる。

今後の研究の推進方策

1.神経修復過程における病変局所でのVn受容体発現機構の解析
2.免疫学的組織染色法によるヒト精神神経疾患病態との比較検討

次年度の研究費の使用計画

1.In-situ hybridization法による様々な病変局所でのVn受容体遺伝子とImmunohistochemical法によるタンパク発現の比較検討
2.ヒト精神神経疾患病理組織切片を用いたVn並びにVn受容体タンパク発現評価

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the binding characteristics of [18F]THK-523 and other amyloid imaging tracers to Alzheimer's disease pathology.2013

    • 著者名/発表者名
      Harada R, Okamura N, Furumoto S, Tago T, Maruyama M, Higuchi M, Yoshikawa T, Arai H, Iwata R, Kudo Y, Yanai K.
    • 雑誌名

      Eur J Nucl Med Mol Imaging.

      巻: 40 ページ: 125-32

    • DOI

      10.1007/s00259-012-2261-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 接着性タンパクvitronectinがタウ病理と神経変性に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      丸山 将浩
    • 学会等名
      タウ研究ミーティング
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      20120610-20120610

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公開日: 2014-07-24  

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