研究課題/領域番号 |
23591742
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
趙 松吉 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80374239)
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研究分担者 |
西嶋 剣一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60364254)
志賀 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
竹井 俊樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60374493)
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キーワード | がん分子イメージング / がんの分子標的療法 / 細胞増殖 / PET/CT / SPECT/CT |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞増殖・血管新生などがんの分子レベルのプロセスを画像化しうる核医学分子イメージングを用いた新しいがんの治療効果評価法を確立することである。H25年度及び研究期間全体を通じて以下の研究成果を得られ、学会、雑誌に発表した。 1)がんの分子標的療法(Gefitinib)の早期治療効果判定における18F-FLTの有用性について、ヒト類上皮細胞がん(A431)担がんマウスを用いて検討した。Gefitinib治療により腫瘍へのFLT集積はリン酸化EGFおよびKi-67の発現低下とともに腫瘍サイズの変化より前に低下した。またA431担がんマウスにおけるbevacizumab、ヒト肺癌細胞(H1975)におけるcetuximabの分子標的治療においても同様に腫瘍へのFLT集積は腫瘍サイズの変化より前に低下した。2)ヒト腎がん細胞(A498)とH1975担癌マウスにおいて、マルチキナーゼーであるsorafenibによる急速な腫瘍内微小血管の減少に伴い腫瘍内低酸素領域の増加に伴い、腫瘍への18F-FMISO集積が増加した。3)sorafenib)の早期治療効果判定における18F-FLT有用性について、A498およびH1975担がんマウスを用いて検討した。Sorafenib治療によりA498腫瘍へのFLT集積は有意に増加したが、H1975においては有意に低下した。以上の研究成果より、多種担癌モデルマウス動物において、細胞増殖・低酸素イメージングにより分子標的薬の作用機序に基づいた治療効果を早期に評価可能であることが示唆された。4)チミジンホスホリラーゼー(TP)を標的とした新規腫瘍イメージング剤(123I-IIMU)の腫瘍への集積とTP発現との関係について、TP発現の異なる多種担癌モデルおよび正常マウスにおいてsiRNA法、マウス抗TP抗体法及びSPECT法を用いて明らかにした。
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