研究課題/領域番号 |
23591743
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真鍋 徳子 北海道大学, 大学病院, 講師 (70463742)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30171888)
吉永 恵一郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30435961)
伊藤 陽一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10334236)
遠藤 晃 北海道大学, 大学病院, 准教授 (60301892)
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キーワード | 循環器画像診断 |
研究概要 |
冠動脈CTは、近年広く普及してきているが、読影医が読影端末で参照する場合は、血管ごとに一つ一つ関連する画像を探す必要があり労力と時間を要する。さらにフォローアップでは、前回レポートを参照しながら読影を行うが,従来のレポートはテキストが中心であり全ての画像上の病変特定位置情報までは残されていないため、複数の部位に病変が跨っている場合や同一部位に複数の疑い病変がある場合に、前回病変の確認・特定が困難であるという課題があった。そこで我々は以下の特徴機能をもつ循環器画像診断支援システムのプロトタイプシステムを開発した。 i)読影のための画像選択を効率化するために,画像解析ワークステーションから出力された複数種類の再構成画像を血管ごとに分類して表示する。 ii)前回病変の確認・特定を容易かつ正確に行うために,病変に関連づけて画像定量値や病変位置を保存・参照できる仕組みを構築する。 病院画像サーバーとシステムを接続し、実際の症例の画像をダウンロードし、システム上で心臓CTの読影及び所見の入力を行った。ワークフロー改善の評価のために、読影実験を熟練者と初学者でブラインドにて行い、読影に要する時間、冠動脈狭窄所見の一致率等の比較をシステムを使用しない従来法と本システム使用法で比較した。システム使用により、従来のフリー読影法と比較して読影作業時間が19%短縮し、かつ初学者と熟練者の入力所見の一致率の改善(従来法90%であったものが本法では100%)を認めた。以上を、放射線科および医療情報系の全国学会で発表報告を行い、放射線科医師のみならず、放射線技師等からも反響が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
画像診断評価システム構築(ソフトウェア開発)が当初の予定よりも、遅れたため。 計画二年目に北海道大学病院に加えて、関連施設でもシステムを稼働予定であったが、現在北海道大学病院のみでのシステム実装および運用となっている。計画三年目である平成25年4月以降に関連病院でのデータ収集およびシステム運用を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から北海道大学病院に加えて、研究者が画像読影支援を行っている関連病院にも同じシステムを実装し、症例の蓄積およびシステムを用いたデータ管理を進めていく。 関連施設での症例を大学と同じDICOMタブ分類し、読影が同じ方式でできるようにする。データ自体は外付けハードディスクにDICOMデータで保存管理する。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例が一定数以上蓄積された時点で、カルテデータからの取り込みによるシステムを用いた冠動脈病変リスク層別化のための、新たなスコア(分類法)を開発する。 このための必要経費として、パソコン関係費用、発表の為の旅費、統計コンサルトのための人件費等を計上している。
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