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2012 年度 実施状況報告書

MRIを用いた脳動脈解離診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23591748
研究機関山形大学

研究代表者

細矢 貴亮  山形大学, 医学部, 教授 (50143102)

研究分担者 小田 敦子  山形大学, 医学部, 助教 (10333965)
鹿戸 将史  山形大学, 医学部, 講師 (90400572)
キーワード脳動脈解離 / MRI / 壁内血腫 / black-blood imaging
研究概要

本年度は、新しい撮影法であるMSDE法を用いた高分解能3D T1強調像を用いて、脳動脈解離の壁内血腫を信号強度、形態、経時変化の3つの観点から検討した。このMSDE法を用いた高分解能3D T1強調像は拡散強調画像の原理を応用し、動くスピンの位相を散乱することにより血液の流れにより出現する血管内の信号を抑制し、アーチファクトと混同することなく壁内血腫の観察を容易にするものである。
研究対象は2008年4月から2012年10月に脳動脈解離と診断され、発症後1週間以内にMSDE法を用いたT1強調像を撮影した11例(男性8例、女性3例、平均年齢58歳)で、発症形式は頭痛2例、脳梗塞8例、くも膜下出血1例、罹患血管は椎骨脳底動脈6例、後下小脳動脈単独4例、中大脳動脈1例である。
結果5症例(45%)で急性期のみならず亜急性期から慢性期まで壁内血腫は等信号を示した。壁内血腫の信号強度は血腫の時間経過で異なり、発症から数日以内は等から軽度高信号、4日目から2ヶ月間はメトヘモグロビンを反映し高信号、その後6ヶ月以内に等信号、あるいは消失するとされている。今回の結果、壁内血腫の信号強度には時間経過以外に不安定な偽腔の状態が関与していることが推測された。またMSDE法を用いたT1強調像では11例中10例で血腫の形態変化を観察でき、脳動脈解離の診断や経過観察に有用であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例の蓄積が少なくもうしばらく研究の継続が必要であるが、検討結果はおおむね当初の目的を達成できる見通しとなった。ただし、予期せぬ所見が新たに検出され、その解明にはさらに新たな研究が必要と考えられる。

今後の研究の推進方策

できるだけ症例を蓄積するとともにその画像所見を解析して本年度中に最終的データをまとめ、結果を国内、国外で発表すると同時に論文を公表する。

次年度の研究費の使用計画

繰越額3000円については、次年度物品費購入にあてる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 急性期脳動脈解離における壁内血腫の画像所見 -3D T1 強調 black- blood imaging を用いた検討-2012

    • 著者名/発表者名
      小田敦子、豊口裕樹、鹿戸将史、細矢貴亮
    • 学会等名
      第35回東北脳血管障害研究会
    • 発表場所
      江陽グランドホテル(仙台)
    • 年月日
      20121201-20121201
  • [学会発表] MR findings of intramural hematoma in acute phase of cerebral artery dissection using 3D T1-weighted black-blood imaging2012

    • 著者名/発表者名
      A. Oda, M. Kanoto, Y. Toyoguchi, Y. Sugai, T. Hosoya
    • 学会等名
      第36回ヨーロッパ神経放射線学会
    • 発表場所
      Edinburgh International Conference Centre (Edinburgh, England)
    • 年月日
      20120921-20120924
  • [学会発表] 急性期脳動脈解離における壁内血腫の画像所見 -3D T1 強調 black- blood imaging を用いた検討-2012

    • 著者名/発表者名
      小田敦子、鹿戸将史、豊口裕樹、平賀利匡、森岡梢、菅井幸雄、細矢貴亮
    • 学会等名
      第71回日本放射線医学学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20120414-20120417

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公開日: 2014-07-24  

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