研究課題
細胞実験については、肺癌細胞におけるFDGの取り込みに、Glucose transporter 1(Glut1)、Hypoxic inducible factor-1(HIF-1)が密に関与していることを、その阻害剤であるフロレチニンやYC-1を使い、さらにHIFを高発現させるCoCl2を用いて実験を行った。In vitroにおいて、FDG取り込みがGlut1とHIF-1に強く依存していることを示した。動物実験については、肺癌細胞株をマウスに移植して、腫瘍モデルを作成した。現在、bevacizumabの投与量の調節、スケジュールの検討を行っている。PETでの評価をするためその条件設定についても完了した。さらに、FDG uptakeにかかわるGlut1, HIF-1, Akt, mTOR, EGFRや細胞の増殖をみるMIB-1やp53などの免疫染色の条件設定を行い、準備は完了した。マウスの腫瘍組織でいつでも評価できる準備ができた。今後はマウスを50匹程度用いて、腫瘍組織におけるbevacizumabの治療効果をPETと病理学的な評価を併せて検討していく予定。さらに、進行非小細胞肺癌におけるbevacizumab含む併用療法の治療効果判定にFDG-PETが有効かどうかを検討する臨床試験を当院IRBに計画書を提出して、臨床試験を開始している。10症例程度登録され、現在臨床試験が進行中である。
2: おおむね順調に進展している
細胞実験、動物実験については研究協力者とよく打ち合わせをしていたため、開始時期も適切であった。動物について、治療効果を評価するmicro- PETの設定や、各種抗体の蛋白発現を評価するための免疫染色の条件も準備ができた。マウスについては現在、腫瘍細胞を移植して、bevacizumabの投与について検討を開始できている。臨床試験は、当初の目的では研究後半の予定していたが、早めに開始することが研究を遂行するにあたり、重要と判断して開始した。
今後については、動物実験でbevacizumabの治療効果をPETで評価していく予定。さらに腫瘍組織を採取して病理学的な効果も併せて検討していく。臨床試験としてbevacizumab含む治療を肺癌患者に施行しているが、今後は症例集積をしていく予定。
動物実験について、マウスの追加購入、PETに関する試薬の購入、腫瘍組織を免疫組織学的に評価するため、抗体の購入や免疫染色にかかわる試薬一式を購入する予定。
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