研究課題/領域番号 |
23591750
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
解良 恭一 群馬大学, 医学部, 助教 (40400783)
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キーワード | 血管新生阻害 / FDG-PET |
研究概要 |
肺癌細胞株を使用して、マウスに腫瘍を形成した。その腫瘍に対してBevacizumab (Bev)を投与して抗腫瘍効果をみたが、明らかな縮小傾向はみられなかった。そこで、シスプラチン、タキソールをBevに併用して治療効果をみたところ腫瘍傾向を認めた。マウス用のFDG-PETを用いて、腫瘍縮小効果を2日ごとに1週間かけて治療効果を測定した。Bev単剤の時は、治療前に比べて2日後でややFDG集積は低下したが、ほぼ横ばいであったが、シスプラチンあるいはタキソールをBevに併用すると2日後にFDG集積は明らかに低下した。治療前後の腫瘍組織を採取して免疫染色をしてGlucose transporter 1などのF糖代謝にかかわるマーカーを染色した。腫瘍の縮小に伴い、Glut1, VEGF, HIF-1の発現は低下していた。In vivoのレベルにて、Bevの治療効果におけるFDG-PETの意義を検証して特に早期にFDG集積が低下していることが重要な点であると考えられる。 Bev併用の抗がん剤治療におけるFDG-PETの治療効果をみるため、治療前後にてPET検査を施行して評価を開始した。症例数は10例程度であり、今後の集積する予定である。 抗がん剤の内容については、シスプラチン+ペメトレキセド、シスプラチン+TS-1、カルボプラチン+パクリタキセル、カルボプラチン+ペメトレキセドを主治医の判断で使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vivoの研究については、条件設定で躓く点はあったが、治療効果をFDG-PETで見れた点は計画通りできた点であった。臨床でFDG-PETの治療効果をみることが開始できた点もおおむね予定通りである。今後は症例集積などが大事な点になると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
In vivoレベルで、Bevのみでなく、抗がん剤の併用でFDG-PETの治療効果の意義を検証したが、薬剤の組み合わせによりPETの治療効果判定の意義が変わるかもしれないので、今後は、日常臨床で使用される、カルボプラチン、ペメトレキセド、ジェムザール、タキソテールを使用して同様な研究を展開する予定である。 臨床でも抗がん剤の種類によりPETの治療効果の意義が変わるのか?維持療法でBev単独で使用したときにFDG-PETは抗腫瘍効果の意義をきちんと評価することができるのかに注意して研究を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の計画は、上記に示した抗がん剤(カルボプラチン、ペメトレキセド、ジェムザール、タキソテール)を購入して、in vivoの研究に展開する予定である。FDGなどの試料の一部購入にも研究費を充てる予定である。24年度はこれらの抗がん剤の購入はしなかったので25年度に購入予定であり、マウスの購入も25年度に多く行う予定である。
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