本研究では、乳癌の術前MRI検査において、背景乳腺造影効果が、拡がり診断や手術計画に影響を与えることが示唆された。また、背景乳腺造影効果は、月経周期や閉経の有無、超音波検査における乳腺の所見から予測できることが示唆された。閉経前の場合、超音波検査で不均一な背景乳腺を示す症例では、強度な背景乳腺造影効果が予測され、優先的にMRI撮像日を月経周期に合わせて決定することが有効的と考えられた。また、乳癌の術前MRI検査の問題点の一つとして、手術との体位の違いが挙げられるが、体位変換による病変の移動距離や方向は、病変の部位や乳房の突出の状態によって異なることが示唆された。
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