研究課題/領域番号 |
23591760
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
二橋 尚志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00426496)
|
研究分担者 |
寺澤 晃彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30399597)
伊藤 健吾 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 脳機能画像診断開発部, 部長 (70184653)
川井 恒 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50378147)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | dementia / biomarker |
研究概要 |
認知症のバイオマーカーの診断精度に関して、どのタイプの認知症の、どういったバイオマーカーを対象にするか検討し、現在、ADNI研究などの国際的な大規模研究でも主要なテーマとしてあげられるmild cognitive impairment (MCI)からAlzheimer disease (AD)への転換をテーマの柱とし、さらに、MCIもしくはADさらには正常との鑑別診断能の検討を二つ目のテーマとした。文献検索を行う上で、3番目のテーマとして、dementia with lewy body (DLB)さらにはfrontotemporal lobar dementia (FTLD), vascular dementia (VD)の鑑別診断能に関しても、同時にスクリーニングをすることとした。特別な遺伝子家系、遺伝子変異は除外し、一般的な疾患群のみを対象とした。対象疾患は上記のとうりであるが、対象とするバイオマーカーは、SPECT, PET, MRI等の画像機器、髄液検査(Aβとtau)、遺伝子マーカーとしてはAPOE、さらに脳波を検討すべきバイオマーカーに設定した。それ以外にもさまざまな遺伝子やタンパク、臨床心理検査などの報告があるが、今回は含めないこととした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文献データベースはmedlineのみとし、直近の10年(2000.1.1-2011.12.31)の抄録をすべて検討し、各テーマに相当する論文の抽出作業を開始した。総計18848本の論文がリストアップされ、本研究の目的に適合する論文の一次スクリーニングを終了した。抄録からfull text screeningが必要とされる論文が現段階で1500程度(まだ、正式に決められていない論文がある)あり、現在、本論文を収集する作業を行いつつ、2次スクリーニングを行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
最終スクリーニングを経過し、10例以上の臨床例を検討し、かつ、前述に記載したバイオマーカーで評価してある論文を、以下の5つのカテゴリーに分配し、各カテゴリーに関して、2×2テーブルを作成し、診断能を評価する。もし可能であれば、メタ分析に進む予定である。(1)DLBか否か?(2)MCIの予後予想(MCI が後にADにコンバートするか否か?)(3)MCIか否か?(4)FTLDか否か?(5)VD(検査目的は鑑別・予後予想など考えられるが未定)。とくに、先行させるものは、1,4のテーマを先行させる予定である。各カテゴリーごとの解析を始めるのは、6月ごろと予想され、最初の診断能の評価が検討できるのは8-9月ごろと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本年度は学会発表や、他施設の研究分担者(藤田保健衛生大学七栗サナトリウム、長寿医療研究センター)との間で、進捗確認や、打ち合わせ等を頻繁に実施し、研究を進捗させる。繰越の研究費は、こうした旅費や、学会参加、可能なら、論文掲載料として使用する。この研究で必要な論文収集や検索をおこなう事務的な協力者が必要不可欠であり、こうした人件費にも充当する。
|