研究課題/領域番号 |
23591770
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松永 尚文 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40157334)
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研究分担者 |
岡田 宗正 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70380003)
三浦 俊郎 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00243634)
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キーワード | 心臓CT / 心拍 / 石灰化プラーク / 冠動脈石灰化 / signal-to-noise比(SNR) / contrast-to-noise比(CNR) / 被曝低減 / ベータ遮断薬 |
研究概要 |
1. 冠動脈CTAの画質評価single source とdual source 64-multislice CTを用いて心電図同期法下に撮影し、三次元再構成画像(multiplanar reconstruction:MPR volume rendering: VR, angiographic view等)を作成し、心拍動の違いによるアーチファクトの出現状況を検討した。 2. 冠動脈検出能の検討、冠動脈狭窄・閉塞の程度について、選択的冠動脈造影(CAG)と冠動脈CTAとで比較検討する。75%以上の狭窄性病変を有意狭窄として、循環器内科医が判定したCAGの結果と対比した。両機種の冠動脈CTAにおける冠動脈狭窄性病変検出の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を算出した。 3. 高心拍症例におけるdual source CTでの心拍コントロールの必要性の検討: dual source CT を用いて心電図同期検査を行った場合の時間分解能(83msec)で十分か検討し、multi-segment(sector) reconstructionを用いて更に時間分解能を向上させたモード(42msec)での撮像が必要か検討した。これらの時間分解能での石灰化プラークの画像評価を行い、時間分解能の向上が石灰化プラークを含めた高吸収物質の描出にどのように寄与するかを検討した。 4. single source CTでの静注用短時間作用型ベータ1選択的遮断薬ボーラス投与の効果と安全性の検討血圧を過度に下げることなく安全に心拍数を低下させるか評価した。それにより低心拍時に使用可能なECG dose modulationを用いることによりX線被曝の低減に寄与するか検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
毎週水曜日、循環器内科医と放射線科医とで心臓CTの1週間分のすべての症例を検討しており、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
石灰化プラークの視覚評価:心拍数により石灰化プラークが過大評価や過小評価されたりする場合、実際の心拍数で冠動脈の石灰化プラークがどのように認められるか局所での評価を行う。方法としては、良好な時間分解能を有するdual source CTを用いて、冠動脈の石灰化プラークの形態が各種心拍数で明瞭に見えてるか(石灰化の辺縁が十分に描出できているか)を評価する。このためには、冠動脈の石灰化の視覚評価を行い、4段階に分け(0=poor~3=fairまで)、これらの画質に影響する因子を検討する。検討項目としては、一般的な①冠動脈危険因子から、②石灰化コアの最高の吸収値、③短軸断(XY断面)での冠動脈に比しての石灰化の大きさ、④心拍数、⑤スキャン中の脈拍変動などを検討する。 心臓CT検査での被爆の軽減dual source 64-multislice CTで被曝の軽減のため、ある心拍相にのみ撮像するprospective scanと、全心周期撮像した後にデータを収集するretrospective scanとの間に画質の違いがあるか評価する。この方法をsingle source 64-multislice CTでも行い、prospectiveおよびretrospective scanの撮像時間の違いや、画質の違いを検討する。実際の症例で、冠動脈CT angiography(CTA)を作成し、冠動脈内腔のCT値と狭窄率の関係も評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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