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2011 年度 実施状況報告書

MRI所見による新たな食道癌治療効果判定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23591773
研究機関独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター)

研究代表者

平賀 聖久  独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), 統括診療部, 消化器・内視鏡科医長 (50335973)

研究分担者 畠中 正光  札幌医科大学, 医学部, 教授 (40253413)
塩山 善之  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323304)
柿原 大輔  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80529818)
古森 正宏  九州大学, 大学病院, 助教 (90529819)
鶴丸 大介  九州大学, 大学病院, 医員 (90419565)
本田 浩  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90145433)
松尾 芳雄  九州大学, 大学病院, 助教 (50419595)
内田 耕栄  九州大学, 大学病院, 医員 (20610611)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード臨床 / 食道癌 / MRI
研究概要

食道癌は予後不良な疾患であり、手術不能な進行癌となった場合には放射線・化学療法などの集学的治療が施行される。放射線・化学療法の治療効果を判定する際には、一般的にX線所見やCTなどの形態情報を判断材料として用いるが、精度に劣ることから最近では重要視されない傾向にある。近年MRIは生体の細胞レベルの変化を画像化し、よりミクロな形態変化を評価することが可能となってきており、悪性固形腫瘍の治療効果を予測できるという知見がある。今回の研究の目的は、食道癌の治療においてMRIを用いた効果判定を用い、治療効果をを正確に評価・予測し得る指標を構築することである。対象は未治療の食道癌で、術前補助療法を含めた放射線・化学療法を予定された患者とした。治療前・中・後の時点で、MRIを行い通常のパラメーターに加え、見かけの拡散係数(ADC)を計測した。治療効果判定は食道癌取扱い規約に基づき行うこととした。本研究期間に11名の患者が登録された。臨床病期はIII、IVa期がほとんどであった。治療は術前放射線化学療法が4例、根治照射が7例であった。治療後の結果は、手術例で全例grade1、根治照射例では奏功例が4例、非奏功例が3例であった。平均ADCは、奏功例が治療前1.03、治療後1.40、非奏功例が治療前1.25、治療後1.26であった。本研究の結果、治療前ADC値は非奏功例の方がやや低く、一般に治療前のADC が低い方が化学放射線治療効果が高いとする従来の報告に合致した。また治療に伴うADCの変化は、奏功例ではADCの上昇、非奏功例ではADCは不変であり、治療開始後早期からADC の増加率が高い場合は治療効果も高く,ADC が変化しない場合や減少する場合は治療効果が低いとする報告に合致した。以上、現時点ではあるが、食道癌のADC値を測定することで、治療効果を予測できる可能性が高いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに得られた症例に関しては、予想以上に良い結果が得られているが、対象症例が予想以上に少ないため、十分な解析を行えるほどの登録患者数に達していない。

今後の研究の推進方策

これまで通りに研究を進めていく。ただし上記に示す通り症例登録が十分とはいえない状況にある。大学病院では多数の診療科があるため、対象となる患者の登録や拾い上げが難しいことが大きな理由である。したがって今後は、他の診療科にも症例情報の提供などを協力してもらい、登録症例数を増やしていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

これまでに得られたデータについて解析し、可能であれば学会等での発表、論文作成をする予定である。研究費は、データ解析に使用するPC、ソフトウェア、学会出張費、論文構成費、論文別刷り購入等に使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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