23年度から25年度にかけて、さらなる線量低減技術として有効な逐次近似画像再構成法を用いた新たな画像再構成法の可能性について取り組む予定であり、具体的には以下の項目を中心に研究を遂行している。1.心臓CT での低管電圧技術と逐次近似画像再構成法を併用した線量低減ならびに画質改善 2.逐次近似画像再構成法を用いた心臓CT でのアーチファクト低減 3.逐次近似画像再構成法を用いたカルシウムスコアの線量低減ならびにスコアの改善。さらに上述の結果を参考にし、新たな手法を用いた逐次近似画像再構成法の開発ならびに他の領域における応用についても検討する。 25年度は研究期間の最終年度であり、これまで取り組んできた研究課題の継続ならびに新規課題へ取り組んだ。これまでの継続課題である豚の肝臓を使用し、従来画像と比べて逐次近似画像を用いた画質の違いや描出能の改善、診断能への影響、線量低減の可能性などについて一定の成果を得られた。ただし、この研究では腫瘤を含めた研究まで進展しておらず、描出能に関しては詳細な検討が今後も必要であり、継続的な課題と考える。また、逐次近似法と画質のコントロールが可能な自動管電流変調(AEC)を併用することで、従来では不可能であった心臓CTでの安定した画質と線量のコントロールを目的として研究をおこなった。研究結果は国際学会での発表や国際雑誌へ論文を掲載することができ一定の成果が得られたと考える。
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