研究課題/領域番号 |
23591780
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
北島 美香 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (60305018)
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研究分担者 |
平井 俊範 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (40274724)
重松 良典 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (00555766)
牧野 敬史 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90381011)
坂本 隆吏 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60404331)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30359963)
白石 慎哉 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (50433008)
大屋 夏生 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70281095)
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キーワード | 高磁場MRI / グリオーマ / 放射線治療 |
研究概要 |
今年度は、高分能3D画像シークエンスの最適化を行うための基礎実験を行った。 [方法]3T-MRIにおける脳の灰白質、白質、脳脊髄液のT1,T2値を模擬したファントムを試作し、試作ファントムとoilを用い、3D-FLAIR、3D-T2WIを撮像し、refocusing angleによる信号強度の変化を検討した。 [結果]1.以下の溶液にて脳灰白質、白質、脳脊髄液に近似した溶液を得ることができた。灰白質:ガドリニウム生食0.7 mmol溶液+グラニュー糖 7 g、白質:ガドリニウム生食0.8 mmol溶液+グラニュー糖 8 g、脳脊髄液:牛乳 : 生食 = 1 : 1。2.3D-FLAIRでは、refocusing angleを大きくすることにより、灰白質、白質、脳脊髄液の信号は低下した。refocusing angle 50-60度で白質、灰白質の信号が、脳脊髄液より低下し、70度以上で灰白質、白質の信号強度はoilより低値となった。3D-T2WIでは、refocusing angleを大きくすることにより、灰白質、白質、脳脊髄液の信号は低下し、refocusing angleを大きくするにつれ、灰白質/白質のコントラスが増加した。(灰白質の信号強度-白質の信号強度)/oilの信号強度は、3D-FLAIRでは70度が最大であった。3D-T2WIではrefocusing angleを大きくするにつれ、増加した。 [結論]脳を模擬したファントム作成し、3D-FLAIR、3D-T2WIの特性を明らかにした。3D-FALIR、3D-T2WIにおいてrefocusing angleを適切に設定することにより、灰白質、白質の良好なコントラストが得られる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎実験として、ファントム実験にて各々の画像のゆがみを検討する予定である。ゆがみ測定用のファントムは自作したが、その空間分解能の検証が遅れている。 実際のグリオーマを有する患者からの組織取と画像所見のとの対比については、倫理委員会の許可を得て研究を開始しているが、組織採取および画像所見との対比に適切と判断される症例がいまだ少ない。
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今後の研究の推進方策 |
自作ファントムの精度測定にあたっては、放射線技師やファントム作成の基礎知識を有する者に相談し、適切な方法で行えるよう努力する。 グリオーマを有する患者の術前にMRIを撮像し、術中に組織採取を行い、術前に得られた画像と組織で得られた組織標本で、腫瘍浸潤の広がりを比較する。組織採取にあたっては、術前の脳外科とのカンファレンスにて症例の選択、組織採取部位、方法などを詳細に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
グリオーマを有する患者の術前にMRIを撮像し、術中に組織採取を行う予定であるが、組織採取にあたって必要なデバイスを購入する。 研究成果発表として国内学会、国際学会発表各々の1回の発表を予定する。
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