研究課題/領域番号 |
23591782
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
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研究分担者 |
古小路 英二 宮崎大学, 医学部, 助教 (00423723)
清原 省吾 宮崎大学, 医学部, 医員 (30599585)
水谷 陽一 宮崎大学, 医学部, 医員 (40599586)
近藤 千博 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10244196)
高橋 伸育 宮崎大学, 医学部, 助教 (20404436)
西井 龍一 宮崎大学, 医学部, 講師 (60463212)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | FDG-PET / RT-PCR / 膵臓癌 |
研究概要 |
膵臓癌34例、胆道癌38例を対象に手術後摘出臓器組織からRNAを抽出し、RT-PCR法にて糖代謝に関連するGLUT-1、GLUT-3及び癌関連遺伝子(EGFR、KRAS、BRAF、HIF-1、Ki-67、CDH13、VEGFC、P53)の発現を定量した。なお本研究の対象は膵臓癌であるが、近隣の臓器として胆道癌も同時に解析した。術前に施行したFDG-PET/CTから得られた糖代謝指標(早期像SUVmax、後期像SUVmax、SUVmax変化率)との相関を解析した。 膵臓癌ではGLUT-1、GLUT-3の他、EGFR、Ki-67、CDH13、p53とFDG集積強度の間に正の相関が得られた。また胆道癌でもGLUT-1、GLUT-3に加えてFDG集積強度とEGFR、BRAF、HIF-1の間に正の相関が認められた。膵臓・胆道癌でFDG集積が高い症例では、グルコーストランスポーター以外にも高頻度に細胞増殖及び腫瘍浸潤・転移に関連する遺伝子の発現が認められた。 FDG集積強度から膵臓・胆道癌の腫瘍遺伝子発現による浸潤・転移に関する生物学的悪性度を非侵襲的に推定することが可能と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象症例はやや少ないが、順調にRT-PCR法を用いて腫瘍関連遺伝子発現の定量を実施中である。当初の予想と異なり、遺伝子発現強度とFDG集積強度で正の相関が得られる遺伝子発現は比較的特異的であり、次の方針としては、タ-ゲットとなる遺伝子発現を絞り込める可能性があると思われた。このため対象症例をもう少し増やせれば、さらに結論の確信度が高まるのであるが、現時点では症例数はやや足りていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
膵臓癌、胆道癌でFDG-PETの集積と正の相関が得られたEGFR、Ki-67、CDH13、p53、GLUT-1、GLUT-3、BRAF、HIF-1について、保存してある臓器標本の組織から免疫学的染色法を用いて、それぞれの染色強度、染色細胞数とFDGのSUVmaxとの相関を解析する予定である。さらに個々の症例の予後との関連も明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
膵臓癌、胆道癌で組織標本を対象にEGFR、Ki-67、CDH13、p53、GLUT-1、GLUT-3、BRAF、HIF-1についてそれぞれ免疫学的染色法を用いて、染色強度、染色された細胞数を測定し、機知のFDGのSUVmaxの指標との相関を求め、本年度のRT-PCR法との解析結果の整合性を確認する。 また個々の症例の予後との関連も解析する。
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