研究課題/領域番号 |
23591782
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
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研究分担者 |
古小路 英二 宮崎大学, 医学部, 助教 (00423723)
清原 省吾 宮崎大学, 医学部, 医員 (30599585)
水谷 陽一 宮崎大学, 医学部, 医員 (40599586)
近藤 千博 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10244196)
高橋 伸育 宮崎大学, 医学部, 助教 (20404436)
西井 龍一 宮崎大学, 医学部, 講師 (60463212)
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キーワード | 膵臓癌 / FDG-PET / SUVmax / ADC / RT-PCR / 癌遺伝子発現 / 予後 |
研究概要 |
膵臓癌において、画像診断指標であるFDG-PET/CT検査から求めたSUVmaxと様々な癌遺伝子の発現程度との関連についての研究を平成23年度に続き継続した。今年度はさらにMRI拡散強調画像(DWI)の指標であるapparent diffusion coefficient(ADC)と比較し腫瘍遺伝子の発現とどの画像診断指標がより関連が深いかも検討した。 術前にFDG-PET/CT検査とMRI検査が施行された膵癌患者37例を対象とした。遺伝子の発現定量にはReverse Transcription- Polymerase Chain Reaction(RT-PCR)法を用い癌組織におけるDNA発現量(EGFR、CDH13、p53、Ki67、Glut1、Glut3、HIF-1、VEGFA、KRAS、BRAF)を測定した。ハウスキーピング遺伝子にはβ-アクチンを用いDNA発現量を求めた。癌遺伝子DNA発現量のβ-アクチンDNA発現量に対する比を癌関連遺伝子DNA発現量指標とした。これら癌関連遺伝子DNA発現量とFDG摂取指標(早期像、後期像のSUVmax)とDWIの指標であるapparent diffusion coefficient(ADCmeanとADC min)との相関を比較した。 SUVmax(早期、後期)の相関係数はEGFR(0.30と0.34)、CDH13(0.39と0.59)、p53(0.29と0.42)、Ki67(0.44と0.54)、Glut1(0.53と0.61)、Glut 3(0.52と0.45)であり正の相関が認められた。HIF-1、VEGFA、KRAS、BRAFとは相関は無かった。またADCmean及びADC minとは有意の相関を認めなかった。 膵臓癌の各種癌遺伝子の発現程度はFDG-PET指標(SUVmax)がADCと比較してより関連が深かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵臓癌手術例を対象に、予定通りRT-PCR法を用いて癌関連遺伝子の発現を定量し、術前の画像診断指標との関連を検討した。 症例数が足りないが、一応最終目標である、予後との関連についてもデータを蓄積できつつある。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに研究が進んでいるが、今年度は画像診断指標の一つF-18FDG PET/CTの指標として、これまでのSUV maxに加えてSUV peakを測定に加えて、癌遺伝子発現程度との関連を解析する。 また当初の予定通り、これら画像診断指標、癌遺伝子発現程度と予後との関連を解析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予後解析のための統計解析ソフトウエアの購入、予後情報収集に伴う謝金、学会発表旅費に用いる。
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