研究課題
本研究に対する同意が得られFDG-PET/CT、MRI検査を含む画像診断検査と切除術が施行された膵臓癌を対象とした。FDG集積指標にはSUVmax、MTV、TLGを用いFDG高度集積群(SUVmax≧8)、中等度集積群(8>SUVmax≧3)に分類した。切除標本から膵臓癌組織と隣接正常組織を採取しRNAを抽出しRT-PCRにて癌関連遺伝子発現を定量解析した。目的遺伝子にはKRAS、 BRAF、Glut1、 Glut3、ki-67、VEGFA、HIF-1、CDH13、P53、IGFを選択した。またハウスキーピング遺伝子としてβアクチン(ACTB)及びGAPDHの発現量を定量しハウスキーピング遺伝子に対する目的遺伝子の比率を発現指標とした。以上の行程を実施後にFDGの集積程度から分類した2群間について上述の遺伝子発現量をそれぞれ比較した。その結果FDG高度集積群ではGlut1、 Glut3、ki-67、CDH13、P53が有意に高く発現していることが明らかになった。最終年では予後解析のためSUVmax earlyとSUVmax delayの値を予後良好群と再発及び死亡の予後不良群で比較した。同様に遺伝子発現との関連を明らかにするためKRAS、 BRAF、Glut1、 Glut13、ki-67、VEGFA、HIF-1、CDH13、P53、IGFの値を比較した。その結果予後不良群では予後良好群と比較し有意にGlut1、 Glut13、ki-67、VEGFA、CDH13、P53が高発現していることが明らかになった。これらの結果からFDG-PETは膵臓癌における浸潤、増殖及びアポトーシスに関与する遺伝子発現及び予後を推定する診断法であり、SUVmaxは有用な指標であることが明らかになった。
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